次の会話は日常の言葉と数学の言葉との混乱の例として、細井教授が挙げているものだ。数学では「AとB」と「AかB」とを厳密に区別するが、日常語では必ずしもそうではない。そこから誤解が生じることもある。
弟「お年玉で自転車とゲーム機が買えるけど、どちらにしようかな、どっちもほしいんだけど。」
姉「じゃ、両方買えばいいでしょ。」
弟「そんなにお金たくさんないもん。」
姉「自転車とゲーム機が買えるって言ったでしょう。」
弟「( )」
母「お姉ちゃんのは数学の時の意味ね。普通のことがと数学の言葉で意味が違うことがあるのよ。」
また、教授は「こういう話はうるさいかもしれませんが、日常場面で機会をとらえて指導してもらえたら、数学教育は助かると思ったのです。」とも言っている。教授はこの対話形式での指導を数学教育の国際会議で提案した。日本人の反応はいまひとつだったが、アメリカ人からは大きな反響があったそうだ。
1、上の会話の中で「A」「B」は何を指すか。
①姉と弟
②数学の言葉と日常の言葉
③自転車とゲーム機
④学校と家庭
2、「日本語」とはどのような日本語か。
①日常の言葉遣い
②厳密な言葉遣い
③学校や家庭で用いられている日本語
④誤解を招く日本語
3、上の会話で、「誤解」した人は誰か。
①姉
②弟
③母
④姉と母
4、( )に入る適当なものを選べ。
①自転車は買えるんだけど。
②ゲーム機は買えるんだけど。
③買えるのは片方だけだよ。
④両方買えるんだよ。