「三十五歳まででないと転職先はない」というようなことがまことしやかに言われるなか、その年齢に近づくと焦って転職をしようと考える人もいる。
しかし、焦りは禁物だ。転職をする前に、転職したい会社の将来性や給与などの待遇条件、その会社で自分に何が身につくのかなどをじっくりと調べたほうがいい。仮にその転職に失敗したら、さらにまた転職しなければならなくなる。そのときに、更なる転職先があるのかどうか、何度も転職できるだけの実力が自分の身についているのかどうかが重要なポイントとなる。転職失敗という最悪のケースまで想定したうえで転職を決めるくらいの慎重さが必要だ。
(和田秀樹「お金と時間の自己投資学」による)
B:
やりがいを得るために、自分の感じるやりがいを実現できる会社へ転職することも可能です。自分のやりがいを実現するという明確な目的がありますから、自ずと志望先は絞られてくることでしょう。また、転職というからには最低①社は就職していることになります。あなたは最初の職場で当初はやりがいを感じていたことでしょう。しかし、あなたは変わってしまった。やりがいを感じなくなってしまった。それは、あなたが成長したからです。もし、同じ社内でやりがいを感じる部署がほかにあれば異動を申し出るのも方法の一つです。社内異動によっても実現できないのであれば、迷うことはありません。転職の道を探ってみてはいかがでしょうか。
(坂本直本「人生のエントリーシート」による)
1、AとBのどちらの文章にも触れられている内容はどれか。
①転職に適する年齢。
②転職をするかどうかを決める基準。
③転職に失敗するケース。
④転職する前に考えなければならないこと。
2、転職について、Bはどのように述べているか。
①やりがいを実現するためには転職も一つの方法である。
②やりがいを感じなくなったら、すぐに転職すべきだ。
③志望先を選ぶ場合は、失敗しないように慎重に調べるべきだ。
④転職せずに職場にずっと残っていては、自分を変えられない。
3、AとBの文章を以下のようにまとめる場合、①と②に入るものの組み合わせとして適切なのはどれか。「Aの筆者は(①)と考えているが、Bの筆者は(②)と考えている。」
①①転職は早ければ早いほどよい ②やりがいのある仕事を目標に転職すべきだ
②①転職を焦ってはいけない ②転職より社内異動のほうがいい
③①慎重に転職を決めたほうがいい ②転職はやりがいを実現する手段だ
④①転職失敗にならないように準備が必要だ ②転職は自分を変えるいい道だ