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初级阅读(378)

时间: 2017-07-18    进入日语论坛
核心提示: 世界には一体、何本の道があるのだろう。そして自分は死ぬまでに、何本の道を歩くのだろう。 自分も大人になったなあ、と実感
(单词翻译:双击或拖选)
 世界には一体、何本の道があるのだろう。そして自分は死ぬまでに、何本の道を歩くのだろう。
 自分も大人になったなあ、と実感することは情けないことにほとんどないのだが、唯一大人になったと感じるのは、知らないところを歩いている時だ。ふと我に返って、見知らぬ風景の中で別段不安を感じていないことに気づくと、一人ではどこへも行けなかった子どもが、よくここまで生きてこられたものだ、と素直に驚く。
 小学校三年生まで、私はほぼ半径100メートルの円の中で暮らしていた。学校も駅も商店街も友達の住む家や社宅やマンションも、すべてその円の中にあった。私の世界は3万1400平方メートルだった。
 時々、電車の中でランドセルを背負った小さな子どもが通学している姿を見かけたり、友達同士で自転車に乗っている子どもたちを見たりすると、単純にすごいと感嘆する。彼らは、かつての私と比べものにならないほど広い世界の中で生きている。
 私の行動範囲は、年を重ねるごとに広がった。四年生に上がると、短い距離なら一人で電車に乗れるようになった。中学に上がれば片道一時間の電車通学をするようになり、大学では飛行機や船で海外へも行くようになった。行き先や旅程の分からない旅行に①人で出かけるのもへっちゃらだ。
 幼少期にあまり移動しなかった分、もっと遠くへ、もっと知らないところへ私は行きたかった。行きたいところへは、基本的にはどこでも行った。鎖国を解いた途端に領土拡張を目指した国のように、ひたすら拡張路線を採った。行動範囲が広がることこそ、大人に近づく最短距離だと思っていた。
 今でも実家に帰ると、幼い自分の行動範囲だった円の中を歩く。そしてかつては、この内側なら絶対に安心だと思えていた場所で、今の自分が(  )ことに驚く。別に私の地元の治安が急激に悪化したわけではなく、会いたくない人たちがいるわけでもないのだが、異国の旧市街を歩いている時と同じ程度の緊張感で、地元の町を歩いている。
 迷子にはならなくなったし、自分の力で対処できることも格段に増えた。どこへ行ってもなんとかなるだろう、という程度の、曖昧で根拠のない自信なら少しばかり身につけた。
 でも、どこを歩いてみても、自分のテリトリーだとは思えない。世界が広がるにつれ、濃度はどんどん薄まってゆく。
 世界の果てを探すことに躍起になっているうちに、私は自分の世界を失ってしまったのかもしれない。
(星野博美「迷子の自由」による)
 
1、筆者によれば自分も大人になったと実感できることは何か。
①知らないところへ行っても不安を感じないこと
②見知らぬ風景を楽しめるようになったこと。
③どこへも自由に行けるようになったこと。
④一人でも強く生きられるようになったこと。
 
2、(  )の中に入れる言葉として、正しいのはどれか。
①かなり気が重い
②大して変わらない
③さほど安心していない
④それほど成長していない
 
3、「世界が広がるにつれ、濃度はどんどん薄まってゆく」とあるが、「濃度」は何のことを言っているか。
①周りの人への感情
②自分のテリトリーへの執着
③未知の世界への好奇心
④地元の町への興味
 
4、この文章で筆者が最も言いたいことは何か。
①人は行動範囲が広くなると、周りの世界に対する認識も深まる。
②人は周りの環境に慣れていくうちに、行動範囲も広がり、成長していく。
③旅に出ることは自分の視野を広げると同時に、人格の成長にも役に立つ。
④成長するにつれて行動範囲は広くなったが、自分の世界へのこだわりは薄くなった。
 
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