感情が老け込む人間は、動かなくなる、考えなくなる、勉強しなくなるという状態に陥る。そうすると頭も悪くなるし、体も弱くなり、次から次へと悪いことが起こってくる。
体であれ、脳であれ、確実に年を取るわけだから、それに抵抗して能力を維持するためには、年を追うごとに頑張って使わないといけないのに、それを頑張らせない。
その第一段階として「感情の老化」がある。しかも感情の老化というのは、早い人はもう30代、40代から始まっている。仕事であれ、恋愛であれ、家庭生活であれ、「頑張ってもたかが痴れている」と思ってしまう。それ以上に頑張ろうという意欲がなくなり、また生活も仕事も楽しめなくなってしまう。
「体の老化」「記憶の低下」ということについては盛んに言われるが、「感情の老化」についてはあまり語られていない。しかし、「感情の老化」が、実は「老化」の中で、一番気を付けないといけないものだということは、しっかりと頭に入れておいてほしい。
(和田秀樹「頭をよくする「習慣術」」による)
1、「感情の老化」について、文章の説明に合っているものはどれか。
①何もかも年のせいにする人は、体も脳も感情もよけいに老け込んでいく。
②感情が老化している人は体の抵抗力が弱まり、記憶力も衰え、病気になりがちだ。
③新しいことをやらないと感情が老化するので、それを防ぐために習い事をするといい。
④感情が老け込む人は、頑張る意欲がなくなり、人生の悪循環に陥りやすい。
2、「それ」は何を指しているか。
①年を取ったと言い訳をすること
②体の能力を意識して鍛えること
③悪いことが頻繁に起きること
④年を取ることに抵抗すること
3、この文章で筆者が最も言いたいことはどれか。
①感情が老化すると、人生を楽しむことができなくなるので、早い段階から注意しなければならない。
②体の衰弱や記憶の低下は感情の老化につながるので、普段から真剣に考えなければならない。
③体や脳が年を取っていくのは仕方がないが、感情の老化は自分でコントロールできる。
④人は年を取ると、仕事も家庭生活も現状に満足して、それ以上頑張らなくなる。