あらゆる文化において、教養のある人々は、自分が大切に考える目標について確信が持てず、悩んでいるように思われる。その理由を探すのは難しいことではない。世界全体としてみれば、文化はあらゆる面で、ますます科学的になり、ますます専門化しているように思われる。そして、過去から私たちに伝えられている固定的で絶対的な価値観は、時代遅れに思われるからだ。
さらに重要なのは、現代の個々人はあらゆる角度から、異なった対立する価値観の要求を突きつけられているという事実である。それほど遠くない歴史上の過去においては可能であったが、自分の祖先の価値体系や、自分が属する地域社会の価値体系の中に安住し、そうした価値体系の本質や、そうした体系において容認されている真理を吟味することなしに一生を生きることは、もはや不可能である。自分の価値観をどうやって成立させるかは、一日にしてならずものであるから、考える必要性があるのではないだろうか。
1、「教養のある人々は、自分が大切に考える目標について確信が持てず、悩んでいるように思われる」とあるが、その理由について、違っているものを一つ選びなさい。
①昔から存在している絶対的な価値観は、今や時代遅れだと思われるから。
②宗教と結びついた価値観が多くの影響力を失ってしまったため。
③文化があらゆる面でますます専門的・科学的になってきているため。
④現代の人々は、異なった対立する価値観を要求される立場にあるため。
2、「それほど遠くない歴史上の過去においては可能であった」とあるが、何が可能だったのか。
①自分が属する地域社会の価値体系の中に安住すること。
②価値体系の本質を専門化して味わうこと。
③体系において容認されている真理を吟味して生きること。
④異なった対立する価値観を要求されるということ。
3、次のうち、本文の内容と一致しないものを一つ選びなさい。
①価値観の問題に関しては、今日それほど深刻な懸念はされていない。
②文化はあらゆる面で、ますます科学的・専門的になってきている。
③固定的で絶対的な価値観は、時代遅れであると思われる。
④現代人は異なった対立する価値観を要求を突きつけられている。