朝起きて、庭におりてみると、もはや夏のものとは思われないような涼風が立ち、青い朝顔の花が露を含んでひっそりと咲いていた。どこかで低い声で虫も鳴いている。こんな季節の朝を表したのが、「( )」という言葉である。( ア )。この季語は、それだけ多くの俳人に愛されたということに違いない。( イ )。
一般の日本人は、季節の盛りよりも、冬から春へとか、移るその変わり目に着目する傾向があるようで、和歌にも「秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども風の音にぞ 驚かれぬる」と、知らないうちに忍び込んだ秋を歌ったものが多い。( ウ )。過ぎ去ってゆく季節に対する愛惜の情けと、新しく迎える季節に対するほのかな期待が、四季の変化の激しい風土に住む日本人に、優れた和歌や俳句の作品を作らせたと言っていい。( エ )。
(金田一春彥「言葉の歳時記」より)
1、( )に入るものとして、最も適当なのはどれか。
①朝顔
②涼風
③土近く
④今朝の秋
2、「「歳時記」を開いてみると、この季語を使った俳句が随分たくさん載っている」という文は、ア~エのどこに入るか。
①ア
②イ
③ウ
④エ