私たちは生きるということを、個人の生についてのみ問題にしがちである。しかし、繰り返すが、生きるということの根本は( )を永遠に保持することなのである。私たちは今、人類全体の生命の存続という大きな次元の中で、個としての生きがいを考えなければならない必要に迫られている。われわれに今必要なものは、個の欲望の制御であり、それとともに人類全体の問題に大きく目を開くことではないだろうか。
(河合雅雄「学問への冒険」より)
1、「人間の精神面での荒廃」とはどういうことか。
①人類の文明の崩壊が始まろうとしていること。
②人と人のつながりや共存関係が壊れつつあるということ。
③人々が個人の欲望のみを追求し、拝金主義に陥っていること。
④大規模な自然破壊や公害が生じていること。
2、( )に入るものとして、最も適当なのはどれか。
①地球環境
②個の生命
③種の生命
④人間社会
3、筆者が読者に一番訴えたいことは何か。
①この欲望を追い求めるのでなく、真に個を尊重する社会をつくろう。
②人はなんのために生きるのか、いっしょに考えてみよう。
③大規模な自然破壊や公害をやめさせ、自然との共生を目指そう。
④種の存続という視点に立って、個の欲望を抑制する必要性がある。