それと同時にわたしたちの体も、皮膚の表面の血管が収縮して細くなり、体内からの熱の放散を防ぎます。
逆に暑いときには皮膚の血管が拡張して、熱を放散するように働きます。
同様に、喉や鼻の粘膜の血管も外気の変化に応じて、開いたり縮んだりするのです。このように、外界の変化に対して気温を常に一定に保とうとするような働きを、ホメオスターシス(恒常性)といいます。
人間の体には生まれつき、この能力がそなわっていて、体をとりまくさまざまな環境の変化に応じているのです。
しかしときに、この対応が衰えることがあります。
たとえば何かの病気で体が弱っている人や、高齢者など。
こういう人たちは、外界の変化に対応できず、急速に衰弱し、時には死にいたることもすくなくありません。
よく春や秋など、季節の変わり目に亡くなる人が多いのは、このように衰弱している体が、季節の変化に対応できなくなるからです。
このように、体は常に外界の変化に対応できるよう、守りを固めているのですが、その守りが確かな人と脆い人とがいます。
1、「守りが確かな人と脆い人」とは何を指しているか。
①季節の変わり目に免疫力の強い人と弱い人
②外界の変化に対して、適応力の強い人と弱い人
③元気な人と何らかの病気で体が弱っている人
④健康体を維持できる人と体の不調を訴える人
2、「この能力」とは何を指しているか。
①自然界の変化に応じて、様々な対応をする能力
②環境の変化に適応しようとする生まれつきの能力
③季節の移り変わりとともに放熱の量を調整する能力
④気温の変化に応じて、体内の温度を一定に保つ能力
3、「われわれの体は自然にさまざまな対応をします」とあるが、その説明として文章の内容と合っているのはどれか。
①気温が下がると、体内の血管が拡張し、熱の拡散を防げる。
②暑いときは鼻や粘膜の血管が開いたり縮んだりして放熱する。
③血管の収縮や拡張などで体内の熱の放散を調節する。
④寒いときに体を丸めることで、体内の温度を一定に保つ。