すべての生き物が土に守られ、土が創り出したものに頼って生きていることはわかったと思うけど、(1)土がかつて生きていたものたちによって作られたものだということを知ってたかい?土はまだ岩や石が細かく砕かれたもの、と思っていなかったかい?
岩や石が細かくなったものは砂とか粘土であって、土ではないんだ。そこに生きていた植物の死骸、動物の死骸などの有機物がいっしょになって、はじめて土となるんだ。草が枯れ、腐って、そこにほんの少しの土ができる。その土に木の種が落ちて成長し、大木となり、やがて腐って、またほんの少しの土が加わる。そこに草が生え、動物たちが草を食べ、老いてその地の土となる。こうして、かつてそこで生きて死んでいった草の、木の、動物たちの.....すべての生命のめぐりが、何千、何万年と繰り返されて、地球の土を作ってきたんだ。空を飛ぶ小鳥も、森をかける兎も緑の木も、そして私も、一つ一つの生き物は、かつてその地で生きたたくさんの生命の集まりなのさ。(2)そう考えたら、土も道ばたの草花も、とても(注1)いとおしく、とても大切に思えてこないかい? 注1.いとおしい:かわいくて、可憐だ。
問1 (1)「土がかつて生きていたものたちによって作られたものだ」とあるが、その説明として、最も適当なのはどれか。
1.土は砂や粘土とそこに生きていた動植物の死骸などが加わって作られている。
2.土は生き物たちの世界であり、すべての生命のふるさとである。
3.枯れた草や木が最初の土となり、そこに動物の死骸が加わって土を豊かにした。
4.すべての生き物は土に守られ、土が創り出したものに頼って生きている。
問2 (2)「そう考えたら」とあるが、何を指しているか。
1.動物と植物はお互いに助け合って生きていると考えること。
2.すべての生き物が土を離れては生きられないと考えること。
3.生命のめぐりが、何千、何万年と繰り返されて土が作られたと考えること。
4.一つ一つの生きものが、その地で生きた多くの生命の集まりだと考えること。