日本は、その初期と近代にふたつの計画都市をつくった。京都と札幌である。ふるい都市の代表である京都も、あたらしい都市の代表選手である札幌も、ともに自然発生的な都市ではなく、日本ではひじょうにまれな人工の都市である。京都は中国を、札幌はアメリカをモデルにした都市であり、東洋文明の原点と、西洋文明の到達点をともに共存させているところに、日本文明の特微があらわれているといえないだろうか。文明とは自己のもつ原理原則の不変性を根本とする。日本の文明は、可変性という原則を不変的にもちつづけた文明であり、札幌の発展は、古代以来の日本文明が、いまだに健在であることのよき例証であろう。
問1 札幌と京都の共通点は何か。
1 同じ都市をモデルにして作られたこと 2 自然にできた都市であること
3 人工的に作られた都市であること 4 東洋の都市をモデルにしていること
問2 筆者によると日本文明が不変的に持ち続けている特徴は何か。
1 計画性 2 発展性 3 可変性 4 人工性