次男が一年生のときである。ある夕方、それまで降っていた雨が上がると、東の空の大きな虹がかかった。次男は「ママ、( 1 )」といい、当時二歳になる弟と外に出た。私は差して気にも留めないでいたが、暗くなっても帰らない。不安になり、自動車で近所一帯を探したが、姿が見えない。いよいよ警察に届けようと決意したとき、二人が戻ってきた。
私がしかると、彼は以前、イギリス人から虹のたもとには宝物が埋められていると言う古い伝説を聞いた、と話した。
「あの家の上に虹が乗ってると思ってその言うまで行ったら、また虹が逃げちゃったんだよ」と言う。小さい弟の手をつないで、東へ東へと夢中で走り、とうとう隣の町まで行ってしまったと言う。
注1.次男:二番目の息子 注2.さして:それほど 注3.たもと:両端およびその付近
問い1 (1)に入る最も適当なものはどれか
1 ちょっと虹を見てくるね 2 お兄さんを呼んでくるね
3 隣の町まで行ってくるね 4 自転車に乗ってくるね
問い2 「また虹が逃げちゃったんだよ」と言う言い方が表す気持ちとして最も適当な問題はどれか
1 前にも同じように虹を追いかけたことがあったが、今回も失敗して悔しい
2 虹のたもとに宝物が埋められていると言う伝説が本当ではないとわかって残念だ
3 悪いことをしたわけではなく、虹を追いかけていただけでしかられたのが不満だ
4 何度も虹のたもとまでいけそうになったのに、結局行けなかったのが残念だ