陳 :はい。会社規則以外、日常集計と管理のグラフも、生産現場の作業標準とプロセスも、それに従業員教育と訓練の資料も読みました。
佐藤:そうですね、人の管理も一つ大事な要素ですね。じゃ、今の陳さんは“生産管理”をどう理解していますか。
陳 :生産管理とは、必要な時期に、必要な数量だけ計画したコストで品質要求に満足できる製品を生産するように、生産の準備から、最終製品になるまでの全ての工程を管理することと思います。
佐藤:はい、完璧。もう少し具体的に説明してください。
陳 :具体的には以下のような工程があります。先ずは注文を受け、製品の価格、数量、納期を確認し、作業標準を作成し、設備能力と人員を計算し、工具と材料を手配する。これで計画段階は終わります。
佐藤:はい、その次は?
陳 :その次はコントロール段階で、主に進度管理、実物管理、ロットと追跡管理、生産能力管理、品質管理と出荷管理などがあります。
佐藤:陳さんは既(すで)に沢山の理論知識が分かったようですね。これからは如何に運用するかが大事だと思います。実際に仕事をする時は、いろいろな問題が発生しますが、既存の答えはありません。だから仕事をする時、よく見る、よく考える、このことは非常に重要だと思います。
陳 :はい、私は実際の経験がまだありませんので、今度仕事をする時にご指導をお願致します。
佐藤:当然です。それにもう一つ注意してほしいことがあります。生産管理は独立した仕事ではなく、各部門の協力でうまく運用する事が出来ます。先ほど陳さんが言った計画段階もコントロール段階も、数多くの関係する部門があります。受注は営業部門、作業標準の作成は技術部門、設備能力は設備部門に連絡、増員は人事部門、原材料は資材部門に委託する。各部門が協同作業の効率を高めるため、うちの会社は部門間連絡書を使っています。陳さんは見ましたか。
陳 :はい、見ました。連絡のフローチャートも。
佐藤:よし、それでは明日から正式に仕事を始めましょう。明日の朝八時半に生産管理部の月例会議を行います。内容は当月計画のまとめと翌月計画の検討です。内容について今までの議事録を見ておいてください。
陳 :分かりました。
佐藤:もう一つ、設備担当の張さんは陳さん同級生ですね。履歴書には同じ大学と書いてあるから。
陳 :そうです。私の専攻は国際貿易、彼は機械と電気。でも同じく日本語を選択科目にしたので、一緒に授業を受け、以前からの知り合いです。
佐藤:そうか、張さんは入社して一年になるが、真面目に良い仕事をしているよ。陳さんも頑張ってください。
陳 :はい、努力します。