◆好色一代男 ~井原西鶴
上方の大商人の息子・浮世之介(略して世之介)は7歳で恋を知り、少年時代から腰元・遊女・人妻など数多くの女性に戯れ、恋文を送ったり交渉を持ったりする。19歳になって江戸の店の支配人を任されるが、乱行が親にばれて勘当される。その後、諸国を渡り歩き色道修業を重ね、34歳のとき父の死によって遺産を相続、以後20数年、京、大阪や江戸の遊里を舞台に好色生活を送る。60歳になって浮世の好色を尽くしたとして、好色丸という船で女護(にょごが)が島に船出する。書名は、愛欲一筋の生涯を送って、妻子を持たずに終わった男、という意味。