日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 吉川英治 » 正文

平の将門105

时间: 2018-11-24    进入日语论坛
核心提示:常陸入り 事態は、こういうところまで、密々に進んでいたのである。 そして貞盛は、常陸から山越えをしては、幾たびか、下野の
(单词翻译:双击或拖选)
 常陸入り
 
 
 事態は、こういうところまで、密々に進んでいたのである。
 そして貞盛は、常陸から山越えをしては、幾たびか、下野の田沼へ往来していたのであったが、将門方には、まだそれまでの機密は探り得ていなかったらしい。
 玄明にしてもそうである。
 彼の齎《もたら》した情報そのものが、極めて不充分なものだったし、それに玄明自身、うしろめたいものがあるので、そのいいつくろいに、強いて、事実を歪曲している傾向もある。
 だが、不死人にすれば、何はともあれ、おもしろくなって来た。思うつぼへ向いて来たといってよい。
「不意をついて、相手の狼狽のうちに、虚実を見る、という計略でしょう。ひとつ常陸へ乗り込んでみようではありませんか」
 その年の冬、十一月のことである。
 不死人は「時来れり」と考えたので、こう将門へ、献策した。
「え。……乗込む? おぬしが常陸へ行くというのか」
「いや、そんなケチな小策ではありません。堂々と、兵馬を立て、陣容を作って、相馬殿が国司維茂に見参せん——と公言を払って行くのです」
「口実がないではないか、口実が」
「表面の理由は、いくらでもあります。——藤原玄明なる者が、豊田へ哀訴して来たによって、これを助けてやって欲しい、玄明の追捕を止め、彼を、旧職に復してもらいたいと申せば、世上への聞えもよいでしょう」
「やろうか。不死人」
「やるべしです。そして、われわれが常陸に入れば、彼らの狼狽ぶりがどうか、すぐ分る。また、貞盛も慌て出して、尻っ尾を出すにちがいない。——場合によっては、その途端に、貞盛めを、生け捕るなり、首にして凱旋《がいせん》するような事にもならない限りもありません」
 この策には、興世王も、口を極めて、賛同した。将頼、将平、将文なども、
「さあ、そう巧く行くだろうか?」
 と、多少の二の足をふんだが、まったく不賛成でもない。
 そして、その年、十一月二十一日のこと。
 将門はついに肚をきめた。部下の将兵一千名を従え、豊田から常陸へ向って出発となった。
 後に思い合せれば、この一歩こそ、彼にとって、致命的なものであり、これまでの私闘的な争いから、天下の乱賊と呼ばれる境を踏みこえたものであったが、その朝の彼の行装や人馬は、意気揚々たるものであった。——すべての場合、人間が他の陥〓《かんせい》に落ち入る一歩前というものは、たいがい得意に満ちているものである。
 
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%