日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 吉川英治 » 正文

上杉謙信68

时间: 2018-11-29    进入日语论坛
核心提示:血中行《けつちゆうこう》 鉄砲の火が枯れ葉に燃えついたのか、蹴ちらされた営内の火の気が野火《のび》となったものか、川中島
(单词翻译:双击或拖选)
 血中行《けつちゆうこう》
 
 
 鉄砲の火が枯れ葉に燃えついたのか、蹴ちらされた営内の火の気が野火《のび》となったものか、川中島一帯の空は、墨を流したような煙である。
 その煙の中に、もう未《ひつじ》の刻《こく》(午後二時)に近いかと思われる太陽が、一粒の珊瑚《さんご》のように燻《いぶ》されていた。
 甲斐の勇士初鹿野源五郎をはじめ、名ある猛者《もさ》の討死は続々聞え、信玄の弟典厩信繁のほか、諸角、山本、内藤などの侍大将も相次いで打果たされた為、甲軍の陣営はいまや全く消滅直前のすがたに見えた。
 謙信はこのとき鞍つぼを打って、
「年来の望み、遂げるはいまぞ」
 と、まわりの旗本を顧《かえり》みた。
 もちろん今朝からの彼は、一定の場所に陣を定めていたのではない。
 彼自身、怒濤を作り、彼自身も、縦横無碍《じゆうおうむげ》に、駆けまわっていたものだった。
 その馬前馬後に従《つ》いて、たえず主君のすがたから離れまいとしていたのは、いうまでもなく、夜来、妻女山を下りる初めから選ばれていた十二名の旗本だった。
 千坂内膳、市川主膳、大国平馬など——そのときまだ七、八名の顔は見えたが、あとの数名は傷《て》を負ったか討死したか、早くも謙信の前後に見えなかった。
「行くぞ。遅るるな」
 謙信はそれへいい捨てた。
 放生月毛《ほうじようつきげ》の駿馬に一鞭加えると、彼のすがたはまるで流星のように、眼のまえの武田太郎義信の隊へ奔《はし》りこんでいた。
「おうっ。御主君には」
「さてこそ。かねて期《ご》したるお望みを、いま果たさんのお覚悟とみゆる」
 旗本たちも、続いて駈けた。——が、先にゆく謙信も、徒歩の彼らも、もちろん無人の野を行くのではない。前から塞《ふさ》がれる。横から襲われる。うしろから包まれる。それを蹴ちらし、突き伏せ、踏みこえ、奮迅《ふんじん》また奮迅の果てなき血中行《けつちゆうこう》であった。
 当然——謙信、旗本勢に続いて、ほかの散隊も、どっと後から駆け合せ、ここに一筋、激浪中の奔流《ほんりゆう》をもりあげた。
——敵味方、三千六、七百人、入リ乱レテ、突キツ突カレツ、伐《ウ》チツ伐タレツ、互ヒニ具足ノ綿噛《ワタガミ》ヲ取合ヒ、組ンデ転ブモアリ、首ヲ取ツテ起チ上レバ、其首ハ我主ナリ、返セ渡セト鑓《ヤリ》ヲツケ、斫《キ》リ伏セニ躍リ行クナド、十六、七歳ノ小姓、草履取ノ末ニイタルマデ、組々トナツテ働キ、手ト手ヲ取ツテ戦ヒ、果《ハテ》ハ刺シ交ヘ、髻《モトドリ》ヲ掴ミ合ヒ、敵味方一人トシテ、空シク果テ申シタルハ無之候
 とは「甲陽軍鑑」の記しているところであるが、激突の状もさこそと思われる。
 いずれにせよ、武田太郎義信の一隊は、またたくまに突破されてしまった。いわゆる七花八裂の惨状を浴び、あれよというまに、謙信はすでに、今暁《こんぎよう》から偵知していた信玄の中軍へ向って驀《まつ》しぐらに駆け込んでいた。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%