日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 吉川英治 » 正文

神州天馬侠77

时间: 2018-11-30    进入日语论坛
核心提示:早足の燕作    二 ふいに自鳴鉦《じめいしよう》を聞いた轟《とどろき》又八は、青筋《あおすじ》をかんかんに立てて立腹し
(单词翻译:双击或拖选)
 早足の燕作
 
    二
 
 ふいに自鳴鉦《じめいしよう》を聞いた轟《とどろき》又八は、青筋《あおすじ》をかんかんに立てて立腹した。
「こっちで攻めだす用意をしているのに、どこまでもおれに楯《たて》をつくふつごうな丹羽昌仙《にわしようせん》。軍師《ぐんし》といえどもゆるしておいてはくせになる」
 恐ろしい血相《けつそう》で、望楼の登り口へかけよってくると、出合《であ》いがしらに、上からゆうゆうと昌仙がおりてきた。
「おお、轟、籠城《ろうじよう》の用意は手ぬかりなかろうな」
「だまれ。いつ頭領《かしら》から籠城の用意をしろとおふれがでた。しかも、夜が明けしだいに、裾野《すその》へ討ってでるしたくのさいちゅうだわ」
「ならぬ! 呂宋兵衛《るそんべえ》さまから軍配《ぐんばい》を預っている、この昌仙がさようなことはゆるさぬ。七つの門は一寸たりともあけることまかりならんぞ」
「めくら軍師ッ。かしらの呂宋兵衛さまも帰らぬうち、洞門《どうもん》を閉《し》めてしまってどうする気だ」
「いまにみよ、祈祷《きとう》にでたものはちりぢりばらばら、呂宋兵衛《るそんべえ》さまも手傷《てきず》をうけて命《いのち》からがら立ちかえってくるであろうわ」
「ばかばかしい! そんなことがあってたまるものか」
 と又八が大口《おおぐち》をあいてあざわらっていると、折もおりだ。祈祷の列に加わっていった足助主水正《あすけもんどのしよう》と佐分利《さぶり》五郎次などが、さんばら髪に、血汐《ちしお》をあびて逃げかえってきた。
「やア、その姿は——?」
 今もいまとて、強情《ごうじよう》をはっていた轟又八、目をみはってこうさけぶと、裾野《すその》から逃げかえってきた者どもは声をあわせて、
「一大事、一大事。まんまと敵の計略におちいって、頭領《かしら》のご生死もわからぬような総くずれ——」
 つづいて逃げてきた手下の口から、
「伊那丸《いなまる》じしんが先手《せんて》となり、小幡民部《こばたみんぶ》が軍師《ぐんし》となって、もうすぐここへ攻めよせてくるけはい」
 と報告された。さらにあいだも待たず、
「あやしいやつが二、三十人ばかり、嶮岨《けんそ》をよじ登って、人穴《ひとあな》の裏《うら》へまわったようす」
「前面の雨《あま》ケ岳《たけ》にも、軍兵《ぐんぴよう》の声がきこえてきた。水門口のそとでも、鬨《とき》の声があがった——」
 一刻一刻と、矢のような注進。
 そのごうごうたるさわぎのなかへ、風に乗ってきたごとく、こつぜんと走りかえってきた和田呂宋兵衛《わだるそんべえ》は、一同にすがたを見せるよりはやく、
「なにをうろたえまわっているかッ、洞門《どうもん》をまもれ、水門へ人数をくばれ、バカッ、バカッ、バカッ」
 八方《はつぽう》へ狂気のごとくどなりつけた。そのくせ、かれじしんからして衣《ころも》はさかれ目は血ばしり、おもては青味《あおみ》をおびて、よほど度を失っているのだからおかしい。
 昌仙《しようせん》は、それ見ろ、といわんばかり、
「おさわぎなさるな、頭領《かしら》。大方《おおかた》こんなこととぞんじて、すでに手配《てはい》はいたしておきました」
「おお軍師《ぐんし》。こののちはかならず御身《おんみ》のことばにそむくまい。どうか寄手《よせて》のやつらを防ぎやぶってくれ」
「ご安堵《あんど》あれ、北条流《ほうじようりゆう》の蘊奥《うんおう》をきわめた丹羽昌仙《にわしようせん》が、ここにあるからは、なんの、伊那丸《いなまる》ごときにこの人穴《ひとあな》を一歩も踏《ふ》ませることではござらぬ」
 轟《とどろき》又八は、いつのまにか、こそこそと雑兵《ぞうひよう》のなかへ姿をかくしてしまった。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%