[白文]9.子曰、民可使由之、不可使知之。
[書き下し文]子曰く、民は由らしむべし、知らしむべからず。
[口語訳]先生はおっしゃった。『人民は従属させるべきであり、その従属の理由を教えることは難しい(教えるべきではない)。』
[解説]かつてこの章句を、『人民は従属(依拠)させればよく、知識や理由を教える必要はない』というように解釈して、孔子が封建主義社会における専制支配(民衆の無知)を肯定しているとする考え方もあった。しかし、現在では、国家権力が法律を施行して人民を従属させることは容易だが、その法律の内容や理由を(予備知識や基本教養のない)人民に正しく教えることは難しいというように解釈されているようである。