[書き下し文]子曰く、三年学びて穀に至らざるは、得(え)易からざる(やすからざる)なり。
[口語訳]先生がおっしゃった。『三年間、真摯に学問をしながらも、仕官(生計を立てるための仕事)を希望しないような学士には、なかなか出会えないものである。』
[解説]理想主義者であると同時に現実主義者でもあった孔子は、『仕官や就職のための学問』を否定しておらず、弟子が良い仕官の方法はないかと質問すればそういった就職のためのノウハウについても答えている。しかし、当然のことながら、学問や勉強は『就職のための道具・食べていくための手段』だけに留まるものではなく、理想主義者としての孔子は天下国家に貢献し、真理を探究するという真の学問の道も大切にしていたのである。