[書き下し文]子、顔淵を謂いて曰く、惜しいかな、吾その進むを見たるも、未だその止むを見ざりき。
[口語訳]先生が顔淵を評価して言われた。『惜しい人物を亡くしてしまったものだ。私は顔淵の学問の日々の進歩を見ていたが、その学問が停滞しているのを見たことがなかった。』
[解説]『学問第一』として孔子の門下の中でも鮮やかな異才を放っていた顔淵だったが、孔子の掛けていた期待も虚しくその天命が尽きて若くして病死してしまった。この章句のように孔子が顔淵の若死にを悼んで嘆いている部分は多く存在している。