[書き下し文]君に侍食(じしょく)するに、君祭れば先ず飯す(はんす)。
[口語訳]主君と食事の席をご一緒した時には、主君が祭祀として神に食事を捧げられると、先生は先に食事に手をつけられた。
[解説]主君に陪席して食事をする際に、主君が祭祀のお供えをし、それと同時に孔子が食事を食べるという描写である。主君が神への祭祀をしている間に、孔子だけが食事を食べるのはマナーに反するような感じがある。しかし、孔子が主君の食事の毒見をまっさきにしていたとする解釈と、『主君はまず祭祀・家臣はまず食事』という礼制の区別があったとする解釈とがある。