[書き下し文]子曰く、吾(われ)嘗て(かつて)終日食らわず、終夜寝ねず(いねず)、以て思う、益なし。学ぶに如かざるなり。
[口語訳]先生が言われた。『私は以前、一日中食事もせず、一晩中寝もしないで考えたことがあるが、無駄であった。学ぶことには及ばないね。』
[解説]孔子は、自分の身体を極限まで追い込む『修行』や過度な禁欲をして自分を痛めつける『苦行』には否定的であった。自分自身の経験を通して『苦行の無意味さ』を悟っているあたりは、仏教の始祖・釈迦(ゴータマ・シッダールタ)と共通する部分がある。