[書き下し文]孺悲(じゅひ)、孔子に見えん(まみえん)と欲す。孔子辞するに疾(やまい)を以てす。命を将なう(おこなう)者、戸(こ)を出ず(いず)。瑟(しつ)を取りて歌い、これをして聞かしむ。
[口語訳]孺悲が孔子にお会いしたいといって来た。しかし、孔子は病気だと言って断られた。孔子の言葉の取次の人が戸口を出て行くと、孔子は瑟をとって歌って、孺悲に聞こえるようにされた(仮病だということを孺悲に知らせた)』
[解説]孔子が孺悲の面会の願いを仮病まで使って拒絶した理由は分からないが、孔子はこの行動(非言語的コミュニケーション)によって孺悲に自発的な気づき・自省を促したかったのかもしれない。