[書き下し文]子曰く、年四十にして悪まるるは、それ終(や)んぬるかな。
[口語訳]先生が言われた。『年齢が40歳にもなって人に憎まれるというのでは、どうしようもないね』
[解説]孔子は三十にして独立し、四十にして心が惑わないようになるというのを一つの目安にしていたから、四十歳になっても他人の気持ちや欲求を察することが出来ず、人に恨まれるような人物はどうしようもないと考えたのであろう。社会的に成功している人物ほど、他人の怨恨や嫉妬を受けずに生きるというのは難しいことである。しかし、儒教的には、不惑の四十の年齢になる時までには、他人の恨みをいたずらに買わないような生き方をせよということになる。