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一夫一妻(2)

时间: 2021-07-06    进入日语论坛
核心提示: われわれ個人の恋愛や結婚の幸福を、かくも不自由きわまるものとしている根本原因が、階級社会の諸関係である以上、真の新しい
(单词翻译:双击或拖选)

 われわれ個人の恋愛や結婚の幸福を、かくも不自由きわまるものとしている根本原因が、階級社会の諸関係である以上、真の新しい恋愛や結婚が内容・形態ともに、その諸関係のより合理的な組みかえのための闘争の過程において発展されつつあるのはむしろ当然ではなかろうか。今日は一見大差なく目前の困難に圧せられているごとくではあるが、それどころか、勤労階級の男女は一層ひどい封建性の下で家庭生活を営んでいるのであるが、新たな歴史の担い手である勤労階級の社会関係の必然から、見とおしとしては結局、プロレタリアートの勝利のみが、恋愛や結婚の幸福をも我々に与え得るものであることは実に興味深い事実であると思う。
 ソヴェト同盟における新しい内容での一夫一婦制の確立は、男女の日常生活に作用する社会関係全体が、彼ら自身の犠牲多い積年の努力で健康な土台の上に組み直されて始めて、現実の可能となったのであった。
 日本の解放運動は、広く知られているとおり、最近八九年間に世界史にも多く例を見ないほど複雑な困難を経験した。その困難な実践をとおし、次代の建設との関連において、恋愛・結婚観も徐々に高められて今日に至っていることを私たちは見落してはならぬと思う。
 階級的な男女の結合というと、すぐコロンタイの「赤い恋」が話題にのぼったのは、かれこれ七年くらい前のことであろうか。当時私はモスクワにいた。そして本家本元のソヴェト同盟では厳密に批判され、本屋に本も出ていないようなコロンタイズムが流布することを知って、非常に苦しいような驚いた心持がしたのを今もはっきり覚えている。
 コロンタイズムは、全く一九一七年から二三年間の混乱期にふるいブルジョア社会の性的放縦の最後の反映、火花として現れた変則な社会現象であった。四五年以上も経過してから、日本において、一つの急進的な性関係のタイプとして、イデオロギー的にコロンタイズムが流布したのには、またそれだけの社会的必然があったと思われる。
 いわゆる、マルクス・ボーイ、エンゲルス・ガールという名ができたほど、当時は広汎に小市民層の若い男女がマルクシズムをうけ入れた時代であった。
 それらの急進的な若い男女があふれるような活力と感受性とを傾けて、学内の活動などに吸収されて行った有様は、めざましいものであったろう。ところが彼らが研究会やなにかでイデオロギー的に獲得した輝かしい未来の社会、両性関係の見とり図と、現実の日常生活との間には、少なからぬギャップがあったであろうことは、たやすく推察することができる。歴史的にも若々しかった彼らのある者は、性急にそのギャップを自分たちの身をもって埋めようとした。性的な欲望を満たすことは喉の干いた時一杯の水をのむにひとしいという言葉の最も素朴な理解が、恋愛、結婚に対する過去の神秘主義的封建的宿命論の反撥として、勇敢に実行にうつされた。個人生活と階級人としての連帯的活動とが二元的な互に遊離したものとして承認され、階級的な活動の邪魔にさえならなければ、個人的な生活の面では何をしようとそれはその人の勝手であるという考えかたがあったらしい。このことを、当時性関係の面で論議をかもされつつも強い勢力をもって一部に実行されていたコロンタイズム類似の行動と照らしあわせて今日の目で見ると、その頃の運動の歴史がもっていた小市民的な制約性の性質がまざまざとわかり、深い教訓を我々に語るものであると思う。
 三・一五、四・一六などの後、運動の困難と再建の事業が集注的関心となった時代には、コロンタイズムは一応揚棄され、運動のためにはあらゆる個人の感情個人生活の利害を犠牲にしなければならぬものであるという、いわゆる鉄の規律が一般の理解におかれた。
 片岡鉄兵氏が一九三〇年に書かれた「愛情の問題」は、その点で非常に興味のある作品であると思う。闘争に参加している夫婦が部署の関係で別々の活動に従わなければならないことになり、妻である婦人闘士はある男の同志と共同生活をはじめる。男の同志はその女に性的な要求を感じ、「同棲しているのなら近所に変に思われない為にでも、本当の夫婦になってしまわなければ不便でもあるし、不自然でもある」といい出す。女はそのことに同意できない感情で苦しむ。同志というより一人の好きでない男という心持がその共働者に対して爆発し、ある夜、良人である同志の家へ逃げ出して来る。すると、良人はその一部始終をきいて、静かに、眼を伏せながらいった。「お帰り。」女は「だって……」と了解しかねていうと良人は昂奮し、

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