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海底魔术师-小铁箱(2)

时间: 2021-08-29    进入日语论坛
核心提示: 男はそういって、またうしろをふりむいていましたが、なにか遠くの音を聞きつけたらしく、ハッとなって、「来た。やって来た。
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 男はそういって、またうしろをふりむいていましたが、なにか遠くの音を聞きつけたらしく、ハッとなって、
「来た。やって来た。もうだめだ。一生のおねがいだ。これを持っていって、かくしてくれ。けっして悪ものにとられるんじゃないぞ。さ、うけとってくれ。そして、そこの大きな木のうしろにかくれているんだ。にげだしちゃいけない。あいてはおとなだから、にげたら、すぐつかまってしまう。いいか、わかったね。」
 小箱はいつのまにか、賢吉君の手にわたっていました。鉄でできているらしく、小さいわりにはひどく重い箱でした。男が賢吉君の背中をつきとばすようにしましたので、賢吉君は、おもわずよろよろとして、一本の大きな木のみきのうしろにかくれました。そこは、街灯の光が、まったくとどかない、まっ暗やみですから、けっして、悪ものに見つかる心配はないのです。
 賢吉君がかくれたのを見さだめると、男はやにわに走りだしましたが、よほどつかれているらしく、あまりはやくは走れません。うしろの方からは、いきおいのよい足音がせまってきました。パッパッパッパッと、おそろしく早いくつ音です。
 そっと木のみきからのぞいている賢吉君の目の前に、風をきってひとりの若ものの姿があらわれました。なんだか、はでなしまの背広をきた、ヨタモノみたいなやつです。
 たちまち、にげる男に追いつきました。
「まてっ、さあ、もうにがさんぞ。きさまが鉄の箱を持ってにげたことは、ちゃんとしっているんだ。あれをこっちへよこせ。」
 若もののふてぶてしいどなり声に、五十男は、よわよわしく答えています。
「鉄の箱なんておれはしらない。さあ、見るがいい。おれはどこにも、そんなもの持ってやしない。」
 若ものは、五十男のからだじゅうをさがしているようすでした。しかし、鉄の箱は、とっくに賢吉君の手にわたっているのですから、どこからも出てくるはずはありません。
「ちくしょう。どこかへかくしたな。さあ、はくじょうしろ。どこへかくした。いわないと、いたいめをさせるぞ。」
 若ものは、五十男の手をにぎって、背中の方へねじあげています。しかし、男はも答えません。そればかりか、いまは死にものぐるいになって、パッとその手をふりきると、いきなり、若ものにつかみかかっていきました。
 おそろしい格闘がはじまったのです。
 ふたりは、暗やみの中で、くんずほぐれつとっくみあい、そのままたおれて、上になり下になり、地面をゴロゴロころがりまわっていましたが、五十男が若いヨタモノにかなうはずはありません。いつのまにか、若ものにくみしかれて、気味のわるいうなり声を出していました。
 若ものは、五十男の上に馬のりになって、両手でその首をしめつけているのです。下の男は死んでしまうかもしれません。もうぐったりとなって、声をたてることもできないようすです。
 賢吉君は、木のかげから飛びだしていって、助けてやろうかと思いましたが、そんなことをしても、ヨタモノにかてるはずはないのですから、鉄の小箱をとられてしまうかもしれません。とられては男にすまないのです。命をすてても、かくしたいと思っている小箱ですから、どんなことがあっても、ヨタモノにわたすことはできません。
 そんなことをいそがしく考えて、ためらっているうちに、若ものが手をはなして立ちあがったようすです。
「命はたすけてやる。鉄の箱を手にいれるまでは、きさまを生かしておかなくちゃ親分にしかられるからな。これから帰って、親分とそうだんして、また出なおしてくる。鉄の箱はどうしたって手にいれるつもりだから、そのつもりでいろ。」
 若ものは、そんなことをいって、どこかへさってしまいました。
 たちさったと見せかけて、どこかにかくれているのではないかと、賢吉君はしばらく、ようすを見ていましたが、いつまでたってもなにごともおこらず、ほんとうに帰ってしまったらしいので、おずおずと木のかげから出て、たおれている男に近づきました。男はまるで死んだようになっていましたが、賢吉君が顔をのぞいて、だきおこそうとすると、やっと目をひらいて、くるしそうな声を出しました。
「あ、きみか。おれはやられた。もうだめだ。箱をたのんだよ。おれが死んだら、川へすててくれ。それから、どうせ警察ざたになるだろうが、箱のことだけは、だまっててくれ。警察にも知られたくないんだ。きみのうちの人にもいっちゃいけないよ。おれはなにも悪いことはしていない。きみにめいわくがかかるようなことは、けっしてないのだから。いいか、たのんだよ。」
 それだけいうのが、せいいっぱいでした。男は、そのまま、また目をふさいで、ぐったりとなってしまいました。
 賢吉君は、じぶんひとりではどうにもならないと思ったので、いきなりかけだして、神社の森をぬけ、近くのおうちへ帰って、おとうさんに、いままでのできごとをつたえました。鉄の箱はじぶんの勉強部屋の本箱のひきだしの中へかくし、おとうさんにも、そのことはいわなかったのです。おとうさんは、警察へ電話をかけておいて、じぶんも、賢吉君のあんないで森の中へ行ってみることにしました。
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