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海底魔术师-游隼丸(2)

时间: 2021-09-08    进入日语论坛
核心提示:「それじゃ、ひとつ海底の冒険をやってみましょうか。さいわい、この汽船会社と保険会社の重役に友人がおりますし、沈没船ひきあ
(单词翻译:双击或拖选)

「それじゃ、ひとつ海底の冒険をやってみましょうか。さいわい、この汽船会社と保険会社の重役に友人がおりますし、沈没船ひきあげのサルベージ会社にも、したしい人がありますから、わたしが相談すれば、きっと承知してくれます。
 じつは、わたしは、こういう冒険がだいすきなのですよ。」
 それから、いろいろ、金塊ひきあげのことについて話しあっているところへ、電話がかかってきました。おとうさんが立っていって、受話器を耳にあてますと、なんだか、みょうな音が聞こえてきました。ジャ、ジャ、ジャ、ジャという鉄をこすりあわせているような、気味のわるい音です。電話の故障かと思いましたが、そうではありません。なにかいっているのです。
「ソコニ、アケチガイルダロ。ハナシタイコトガアル、ヨンデクレ。」
 それは人間の声とは、思えないような、ぶきみな音でした。
「あなたは、だれですか。」
「アケチノ、トモダチダ、ハヤク、ヨンデクレ。」
 しかたがないので、明智をよんで、受話器をわたしました。
「ぼくは明智だが、きみはどなたです。」
「シッテルダロ、オマエノテキダ。ヨクモテツノハコノナカノモノヲ、カクシタナ。オボエテイロ、キット、トリカエシテヤルゾ。アケチ、オボエテイロ。」
 そしてガチャンと電話がきれました。明智は賢吉君のおとうさんと、顔を見あわせました。
「鉄の人魚です。やっぱり、あいつが、大金塊をねらっているのです。ゆだんはなりません。いっこくもはやく引きあげ作業をしなければなりません。」
 それから二週間ほどは、なにごともなくすぎさりました。そして、ある日のこと、日東サルベージ会社のハヤブサ丸が、大阪港から潮ノ岬にむかって出発したのです。
 ハヤブサ丸は、六百トンの引きあげ作業船です。この船には、サルベージ会社の技師や潜水夫や船員のほかに、賢吉君と、おとうさんの宮田さんと、小林少年が乗りこんでいました。東京から大阪まで電車できて、この船に乗ったのです。小林君は明智探偵の代理として同行しました。そしてもし、むずかしいことがおこったら、無電で明智先生にしらせるという約束でした。
 ときは春、空は青々とはれて、(たたみ)のように静かな海を、ハヤブサ丸はすべるようにすすんでいます。たのしい航海でした。小林少年と賢吉少年は、上甲板(じょうかんぱん)に出て、船尾にあわだつ白い波を見ながら、かたをくんで、たからかに歌をうたいました。
 その夜は、美しい月夜でした。夜がふけるにつれて、ますます月はさえかえり、波にそのかげをうつして、海はいちめんに銀ぱくをまきちらしたようです。
 こうたいでもち場についている船員のほかは、みんな船室にはいって、ねむりについていました。トントントントンという機関のひびき、サーッ、サーッと船が波をきる音、こうこうと照る月の下には、そのほかに、なんのもの音もありませんでした。
 ひとりの船員が、甲板をコツコツと、歩いていました。一時間ごとの見まわりです。中央船室のよこの、ほそい通路をとおって、船首のほうにでました。つりあげた救命ボートの下をくぐって、ひょいと、むこうを見ると、船首のとっぱなに、黒いものが、うずくまっていました。
「おやっ、あんなところに、だれかが寝ているのかしら。」へんだと思って、そのほうへ近づいていきましたが、どうも人間ではなさそうです。からだじゅうに大きなウロコが、はえています。それが月の光をうけて、キラキラとひかっているのです。長いしっぽがあります。頭から、背中にかけて、ギザギザのトサカのようなものが、つづいています。なんだか大きなワニのようでした。しかし、このへんにワニがすんでいるはずはありません。
 船員は、背中がゾーッと、さむくなってきました。どんな動物の本にも書いてないような、へんに気味のわるいものです。でも、こわいもの見たさで、足音をぬすむようにして、なおも近づいていきますと、その黒いやつが、首をあげて、ぐーっと、こちらをむきました。
 それを、一目見ると、船員は、からだがしびれたようになって、にげることも、さけぶことも、できなくなってしまいました。
 黒い鉄のような大きな顔に、くぼんだ目が、リンのようにかがやいていました。耳までさけた三日月がたの口から、白い牙がニューッと、つきだしていました。
「ジャ、ジャ、ジャ、ジャ、ジャ……。」
 怪物が口を大きくひらいて、笑っているのです。その笑い声は、まるで鉄をすりあわせるような、気味のわるい音でした。
「ワーッ。」
 とうとう、声がでました。船員は、死にものぐるいの声をふりしぼって、助けをもとめました。
「だれかきてくれ……。」
 その声に、どこからか、人の走る音がして、ひとり、ふたり、三人と、船員が、かけつけてきました。
 船首の怪物は、ひときわ大きな声で笑いながら、さっと、身をひるがえすと、ウロコをキラキラひからせながら、ふなばたの手すりをこして、ドボーンと海の中へ、とびこんでしまいました。
 いそいで、ふなばたにかけよって、のぞいて見ると、鉄のワニのようなやつが、船とならんで泳いでいましたが、あっと思うまに水中ふかく沈んで、海面から姿を消していきました。
 鉄の人魚です。鉄の小箱の海図をぬすむことができなかったので、ひそかに賢吉君らのあとを追い、この船まで、つけてきたのでしょう。海中にとびこんだといっても、あいつは、もともと海の怪物です。船とおなじはやさで、泳いでいるのかもしれません。そして、どこまでも、しゅうねんぶかく、賢吉君たちのあとを追ってくるのかもしれません。

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