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海底魔术师-明智侦探乔装(2)

时间: 2021-09-08    进入日语论坛
核心提示: 船長がたずねますと、明智は、おもいもよらぬことを、いいだしました。「今夜のうちに、そっと上陸しようとおもうのです。ボー
(单词翻译:双击或拖选)

 船長がたずねますと、明智は、おもいもよらぬことを、いいだしました。
「今夜のうちに、そっと上陸しようとおもうのです。ボートでは、敵にさとられる心配がありますから、やはり、潜航艇に乗って海岸に近づき、あとは、岸まで泳げばよいのです。小林をつれていきます。あすの昼まえにはかえるつもりですが、もっとおそくなるかもしれません。ぼくの帰るまで、無電の返事は、のばしておいてください。」
 みんなが、いくらたずねても、明智は、それ以上は、なにもいいませんでした。しかし、宮田さんも船長も、名探偵のうでまえを、よくしっていましたから、ふかくもたずねないで、明智の上陸にさんせいしました。
 それをきいた小林少年は、大よろこびです。先生とふたりで、潜航艇に乗り冒険にでかけるのかとおもうと、うれしくてたまりません。
 それから、ふたりが出発したのは、もう、真夜中すぎでした。ハヤブサ丸からボートをおろし、すぐそばに浮きあがっている潜航艇に乗りうつりました。艇はすぐに潜水して、出発し、十分もかからないで海岸につきましたが、そのへんはさびしい岩ばかりの海岸で、さんばしもありませんから、よこづけにすることはできません。岸から百メートルもはなれたところに、浮きあがりました。
 明智探偵と小林少年は、服もシャツもぬいで、くつといっしょに小さくまるめ、それを頭の上にくくりつけて、海の中にとびこみました。
 そのへんは、見あげるばかりの岩のきり岸で、その下に、荒波がおしよせ、まっしろに、あわだっています。きり岸にかこまれた中に一ヵ所だけ、岩のひくくなったところがあり、小さい漁船などは、そこへつくようになっていました。ふたりは、その船つき場にむかって、ぬきてをきって泳ぎだしました。
 明智探偵はもちろん、小林少年も水泳はとくいでしたから、荒波をものともせず、グングン泳ぎきって、岩の岸に、よじのぼりました。そして、そこで、からだをふいて、シャツと服をきると、だんだんになった岩を、上までのぼり、まっ暗なあれ地を、近くの漁師の部落にむかっていそぎました。そのへんは、田も畑もない、あれ地で、漁師の家が、五―六けん、かたまっているばかりの、ほんとうにさびしい部落でした。その五―六けんの家も、みんな、寝しずまって、まっ暗で、シーンと、しずまりかえっているのです。
 ふたりは、その一けんの家を、たたきおこして、たくさんのおかねをだして、漁師の服をゆずってもらい、着ていた服をぬいで、それときかえました。つまり、漁師の親子に変装したのです。きたないカーキ色のズボン、やぶれてつぎのあたったシャツ、頭にはてぬぐいの(はち)まきという、いでたちです。
「どうも、顔が白すぎるね。すこし、おけしょうをしたほうが、いいだろう。」
 明智は、そんなことをいって、漁師の家のかべにたまっていたススを手につけて、じぶんの顔と、小林少年の顔に、ベタベタぬりつけました。これで、ふたりは、すっかり漁師らしくなったのです。
 それから、そこにこしかけて、そのへんの地理を、くわしくたずねました。こんどの冒険には、やはり、土地のようすを、よくしっておかねばならないからです。
 そうして話しているうちに、東の空が、ボーッと、明るくなってきました。太陽が出るまえのうす明かりです。
 そこで、ふたりは漁師に、おれいをいって外に出ました。もう、足もとが見えないほどではなく、いくら歩いてもあぶなくはありません。ふたりは、海岸にそって、テクテクと歩きだしました。

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