日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页

魔法博士-庞然大物

时间: 2021-12-09    进入日语论坛
核心提示:巨大なもの 三少年は、とらわれの身ですから、いやだと思っても逃げるわけにいきません。怪黒人のいうとおり、そのあとに、つい
(单词翻译:双击或拖选)

巨大なもの


 三少年は、とらわれの身ですから、いやだと思っても逃げるわけにいきません。怪黒人のいうとおり、そのあとに、ついていくほかはないのです。
 暗いトンネルには、いくつも枝道があります。そのひとつをまがって、しばらくいきますと、コンクリートの階段があって、それをのぼり、やがて広い場所に出ました。
 それは洞窟ではなくて、てんじょうの高い、広い廊下のようなところでした。ここはもう地上なのかもしれませんが、うす暗くて、ガランとしているので、まるで地下鉄のプラットホームみたいなかんじです。てんじょうも壁も床も、コンクリートでできていて、いっぽうの壁にそって、ずっと部屋が並んでいるらしく、いくつもドアが見えています。
 高いところに、小さな電灯がついているだけで、うす暗く、向こうの方は、よく見えないほどです。
 さきに立っていた怪黒人は、その広い廊下のまんなかに立ちどまって、三人の少年をふりむき、きみ悪くニヤリと笑いました。
「さあ、ここで、待っているんだ。いまに、ふしぎなものが、あらわれるからね。」
 そういって、かれは、うす暗い廊下のつきあたりの方を、じっと見つめています。三少年も、つい、その方を、ながめないではいられませんでした。
 外は、ひえびえとつめたくて、シーンと、しずまりかえっています。なにか恐ろしいことが、おこりそうです。あのうす暗い向こうの方から、とほうもないばけものが、あらわれてくるのではないでしょうか。
 三人が、目をこらして、その方を見ていますと、やがて、ずっと向こうの廊下のつきあたりに、なにか、もやもやと、動いているものがあります。暗くて、よくわかりませんが、ネズミ色の、ぼやっとした、ひどく大きなものです。
 そのとき、三人は、ぎょくんと、心臓がのどのところまで、とびあがるような気がしました。なんともいえない、恐ろしい音がしたからです。
 ふつうのラッパの百倍もあるような大きなラッパが、ガーッと、なったような音でした。しかも、ラッパのような、ほがらかな音ではありません。いんきな、しわがれた音で、しかも、つんぼになるような、とほうもなく大きな音なのです。
 三人の少年は、おたがいによりそって、いつでも逃げだせるように、身がまえしていました。しかし目は、向こうの暗やみに、釘づけになっているのです。
 暗やみの中の、もやもやしたものが、だんだん、はっきりしてきました。そのものが、こちらへ近づいてきたからです。それは人間の何十倍もあるような、大きなものでした。そいつは、生きているのです。巨大なからだを、ゆすぶりながら、こちらへ歩いてくるのです。
 耳が見えました。犬の耳の百倍もある、おそろしく大きな耳です。その耳が、うちわのように、ハタハタと動いています。
 からだにくらべて、ひどく小さな目がふたつ、やみの中に光っています。白い大きな二本の(きば)が見えます。そして、その牙と牙とのあいだに、なんだか、太いネズミ色の棒のようなものが、ダランとさがっています。それが、グーッと、こちらの方へ、のびてくるように見えるのです。
 足が見えました。ひとかかえもある大木のような、太い足です。それが、ズシン、ズシンと、地ひびきをたてて、近づいてくるのです。
「あっ、ゾウだっ!」
 小林君が、おもわず叫びました。それはゾウでした。巨大なゾウが、コンクリートの廊下を歩いてくるのでした。さっきの恐ろしい音は、ゾウのうなり声だったのです。それにしても、こんなところにゾウがいるなんて、おもいもよらないことでした。これがほんとうのゾウでしょうか。やっぱり、魔法博士の幻術(げんじゅつ)ではないのでしょうか。
「わかったかい。ゾウだよ。魔法の国には、どんな動物だっているのさ。」
 怪黒人が、笑いながら、いうのでした。
 しかし、巨ゾウには、ゾウ使いが、ついているのではありません。ひとりで、歩いてくるのです。足にくさりがついているわけでもありません。
 三少年は、ゾウがおこって、鼻で巻きあげたり、足でふんだりするのではないかと、恐ろしくなってきました。
「だいじょうぶだよ。逃げたりしたら、かえってあぶないよ。」
 ノロちゃんが、逃げだしそうになったので、小林君が、その手をとって、ひきとめました。
 そのうちに、ゾウはズシン、ズシンと、もう三メートルほどに、近づいてきました。恐ろしく大きなやつです。長い鼻が、グーッと、こちらへのびてきました。
 そして、あっとおもうまに、その鼻が、怪黒人にクルクルと巻きついたかとおもうと、黒人は、ゾウの頭の上に持ちあげられていました。
 たいへんです。もし、そのまま、地面に投げつけられたら、黒人は死んでしまうかもしれません。
 三少年が、それを見て、手に汗をにぎっていますと、ゾウの鼻は、黒人を大きな頭の上まで持ちあげると、そこでそっとはなしました。すると、黒人は、なれたもので、ひょいと、ゾウの頭と背中のあいだに、うまのりになりました。そして、ニコニコしながら、ゾウの耳のうしろのへんを、ひら手で、ペタペタたたいています。
 そのとき、ゾウは、長い鼻を、上の方に高くのばして、ゴーッと、うなりました。あのラッパを百倍にしたような恐ろしい声です。
 それから、高くあげていた鼻をおろして、そのまま、グーッと、こちらに向けてきました。その鼻は、三少年のうちのだれかを、ねらっているのです。
 少年たちは、ぎょっとして逃げだしました。三人のうちで、いちばんすばやいのは、ノロちゃんでした。しかし、巨ゾウの足は、もっと、はやかったのです。長い鼻が、ヌーッとノロちゃんの方へ、のびてきました。
 ノロちゃんが、逃げながら振りむきますと、うす黒い、ぐにゃぐにゃしたゾウの鼻が、すぐ目の前にせまっていました。
「キャーッ、たすけてくれ……。」
 ノロちゃんは、まっさおになって、恐ろしい叫び声をたて、もう、逃げる力もなくなって、その場に立ちすくんでしまいました。
 ゾウの鼻は、大きなヘビのように、ノロちゃんのからだに、巻きついてきました。そして、ぎゅっとしめつけられたかとおもうと、ノロちゃんは、もう宙に浮きあがっていました。
「ワ、ワ、ワ、ワ……。」
 ノロちゃんは、気でもちがったように、わけのわからぬ声をたてながら、もがきました。しかし、いくらあばれても、ゾウの鼻は、はなれません。
 そのありさまを見ると、小林、井上の二少年も、ノロちゃんの足をつかんで、ひきもどそうとしましたが、とてもかないません。たちまちノロちゃんは、ゾウの頭の上まで、持ちあげられてしまいました。

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: