日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页

魔法博士-大魔术

时间: 2021-12-09    进入日语论坛
核心提示:大魔術 黒人は、やっと笑いやむと、大ダンビラを地上に投げすてて、なにかしゃべりはじめました。「おれは、とうとう、あのにく
(单词翻译:双击或拖选)

大魔術


 黒人は、やっと笑いやむと、大ダンビラを地上に投げすてて、なにかしゃべりはじめました。
「おれは、とうとう、あのにくい子どもを、バラバラにしてやった。どうだ、すごい腕まえだろう。え、びっくりしたかね。なんだ、そっちの子どもは、ガタガタふるえているじゃないか。いくじのないやつだ。なにもきみを、バラバラにするわけじゃないよ。」
 黒人は、そのままだまって、地上にころがっている子どもの首や手足をながめていましたが、そうしているうちに、だんだん、悲しそうな顔になってきました。
「だが、こうしてバラバラになってころがっているのを見ると、なんだか、かわいそうだな。クスン、ああ、おれはとんだことをしてしまった。なんて、むごたらしいことをしたもんだ。クスン、おれは悲しくなってきた。うう、悲しい……。きみたちも、悲しそうな顔をしているね。もっともだ。うう、悲しい……。」
 そして、黒人の大きな白い目から、ポロポロと、涙がこぼれてきました。はては、声をだして、ワアワア泣きだしたではありませんか。
 さっきまで、こわい顔をしていたやつが、子どものように泣きだしたのですから、なんだか、こっけいです。少年たちは、それを見て、きみがいいと思いました。
「ああ、おれは後悔した。どうしても、この子どもを、もとのとおりに、生きかえらせなければならない。首や手足をつぎ合わせて、もとの姿にするんだ。いいか、おれは、かならず生きかえらせてみせるぞ。」
 しかし、バラバラにした手足を、いくらつぎ合わせてみたところで、子どもが生きかえるはずはないのです。だいいち、人間の手や足が、ノリやセメダインで、つなげるものではありません。
「おや、きみたちは、へんな顔をしているね。このバラバラの手足を、つぎ合わせるなんて、できっこないと思っているのだろう。ところがね。魔法の国では、どんなことでも、できないことはないんだよ。え、わからないかね。人間の手足が、ちゃんとつなげるんだ。そして、生きかえらせることができるんだ。うそだと思うなら、ほら、見ているがいい。」
 黒人は、そういったかとおもうと、いきなり、そこに落ちていた一本の足をつかんで、ヤッとばかりに、洞窟の向こうのほうへ投げつけました。
 赤白だんだらのズボンをはいた足が、スーッと、宙をとんで、洞窟の正面の暗いところへとどきました。すると、ああ、ふしぎ! ふしぎ! その足が、ちょんと、そこへ立ったではありませんか。くつを下にして、まるで人間が立っているように、一本の足だけが、まっすぐに立ったのです。
「ほうら、どうだ。こんどは右の足だぞ。」
 黒人は、そう叫んで、もう一本の足を投げつけました。すると、その足も、まえの足とならんで、ちゃんと立ったのです。
「ウフフフ、うまいもんだろう。おつぎは、胴体だ!」
 ヤッと投げると、これはどうでしょう。子どもの胴体が二本の足の上に、ちょんとのっかったではありませんか。
 それから、同じようにして、両手を投げると、それが胴体の両側の肩のところに、ピッタリくっつきました。
「おしまいは首だよ。さあ、よく見ててごらん。首がくっつけば、もとのからだだ。生きかえるかどうか、そこが問題だよ。」
 赤白の運動帽をかぶった少年黒人の首が、大きなまりのように、スーッと、宙をとんで、ああ、うまいっ! 胴体の上に、チョコンと、こちらを向いて、のっかったではありませんか。
「あっ、笑った! 首が笑ったよ。」
 ノロちゃんが、とんきょうな声をたてました。
 ほんとうです。胴体の上にのっかった子どもの首が、パッチリ目をひらいて、白い歯をだして、ニコニコと笑ったのです。
 みんなが、びっくりして、見つめていますと、ふしぎにつながった子どものからだが、ゆらゆらと、動きだしました。あっ、あぶない! そんなに動いたら、またバラバラになるじゃないかと、手に汗をにぎりましたが、子どもはへいきです。ニコニコしながら、いきなり両手をふって、歩きだしたのです。そして、だんだん、こちらへ近づいてくるではありませんか。
「ばんざーい!」
 悪者の黒人が、さもうれしそうに、こおどりして叫びました。
「どうだ、おれのいったことは、うそじゃないだろう。あの子は生きかえった。ニコニコして歩いてくる。かわいらしいな。おれは二度と、あんなむごたらしいまねはしないよ。そして、あの子どもと仲よしになるんだ。」
 黒人は、こちらもニコニコしながら、両手をひろげて、子どものほうへ、かけよりました。そして、いきなり、小黒人をだきあげると、さも、かわいいというように、ほおずりをするのでした。
「こんなめでたいことはないよ。さあ、お祝いに、みんなで、おどろう。そこにいる三人も、こっちへ来たまえ。みんなでおどるんだ。おどるんだ!」
 黒人は、生きかえった子どもの手を取っておどりながら、三少年のほうへやってきました。そして、ひとりずつ、手を取っては洞窟のまん中へ、ひっぱりだすのでした。
 そのとき、洞窟の中が、にわかに明るくなりました。電灯の光が強くなったのです。それといっしょに、どこからか、音楽の音が聞こえてきました。うきうきするような楽しい音楽です。
「さあ、おどった、おどった!」
 黒人が、さきにたって、手ぶりおもしろく、おどりながら歩きだしました。三人の少年たちも、子どもが生きかえったうれしさに、つい、おどりの仲間にくわわりました。洞窟の中の、ふしぎなフォークダンスです。盆おどりです。ゆかいな音楽に、調子をあわせて、ひらりひらりと、おどったり、はねたり。そうなると、いちばん、はしゃぎまわるのは、ノロちゃんです。ノロちゃんは、目をむいたり、口をまげたりして、おどけたかっこうで、おどりだしました。それにつられて、三人とも、とらわれの身をわすれて、夢中になっておどりつづけるのでした。
「さあ、みんな、つかれただろう。ひとやすみだ。」
 黒人が、おどりをやめたので、みんなも、立ちどまりました。
「ところで、きみたち、いまの魔術の種が、わかるかね。え、どうだ、わかるまい。」
 黒人は、そういって、みんなの顔を見まわしました。
「ぼく、いってみましょうか。」
 小林少年が、つかつかと前にでました。
「さすがは、少年探偵団長だね。わかったかい。それじゃ、いってごらん。」
 怪黒人が、こわい顔ににあわない、やさしい声でいいました。
「あれは、インド奇術といって、有名な奇術ですね。世界じゅうで、あの奇術の秘密を知っている人は、だれもないんだって、明智先生に聞いたことがあります。でも、ここでやった、いまの奇術は、やさしいとおもいます。」
「やさしいって? それは、なぜだね。」
「ここは洞窟で、てんじょうがあるんですもの。ほんとうのインド奇術は、原っぱでやるんですよ。原っぱには、てんじょうがないから、なんのしかけもできません。」
「うん、それで?」
「この洞窟のてんじょうは、暗くなっていて、下からはよく見えません。ですから、あの暗いてんじょうに、しかけがあるんです。てんじょうから、板かなんかつりさげて、そこに人がのっていて、投げた縄のはしをつかんで、岩にうちつけてある太い(くぎ)に、くくりつけたのでしょう。それで、縄が落ちないで、まっすぐに立ったのです。
 その縄を、子どもが登っていきました。それから、おじさんがダンビラを持って登っていきました。そして、子どもをバラバラに、きったように見せかけたのです。
 さっき、落ちてきたのは、人形の首や、胴や、手や、足だったのです。てんじょうにいる人が、それを用意しておいて、つぎつぎと投げおろしたのです。
 それから、その手や足を、向こうの暗い壁の方へ投げつけると、もとのとおりに、くっついたのは、ブラック=マジックです。ね、そうでしょう?」
「うん、かんしん、かんしん。さすがに、よく見ぬいたね。だが、ブラック=マジックというのはなんだね?」
「洞窟の、向こうの壁が、まっ黒にぬってあるか、黒いきれが、はりつけてあるのです。そして、電灯は、みな、ぼくたちのほうを向いていて、あの黒い壁には、すこしも、光があたらないようにしてあります。
 ひとりの子どもが、まっ黒なきれで、全身をつつんで、そこに立っていますが、こちらからは、すこしも見えません。黒い壁の前に、まっ黒なものが立っていて、そこへ、光があたらないのですからね。
 おじさんが、足を投げつけると、その子どもが、足にはいていた黒い袋のようなきれを、ぱっとぬぐのです。そして、もうひとり、からだじゅう、まっ黒な助手がいて、投げられた人形の足に、黒いきれをかぶせて、かくしてしまうのです。
 こうして、両方の足、両方の手、胴体、首と、投げるたびに、それを、黒いきれでかくして、その瞬間に、立っている子どものほうは、手や、胴体や、首にかぶせてあった黒いきれを、ひとつひとつ、とっていくのです。そうすると、投げられた手や、胴体や、首が、つぎつぎと、くっついていくように見えるのです。そして、その子どもは、ニコニコして、ぼくたちのほうへ歩いてきましたが、むろんさいしょ、縄を登っていった子どもではありません。
 さいしょの子どもは、まだ、てんじょうからさがっている板の上に、かくれているでしょう。つまり、よくにた子どもがふたりいて、ひとりは、縄を登り、ひとりは、向こうの黒い壁の前に、黒いきれで、からだをつつんで、立っていたというわけですよ。
 ブラック=マジックなんて、だれでもしっている手品です。でも、ここが、ものすごい洞窟の中ですから、手品とは思えません。ほんとうに、そういうふしぎが、おこったように見えたのです。」
 小林少年は、すらすらと、大魔術の秘密を、ときあかしてしまいました。
「えらいっ! やっぱり、きみは、少年名探偵だよ。よし、それじゃ、もうひとつ、この魔法の国の大魔術を、きみたちに見せてやろう。こんどは、もうすこし恐ろしい魔術だ。びっくりして、泣きださないように用心するがいいぜ。」
 怪黒人は、三人を手まねきしながら、洞窟の出入り口の、まっ暗なトンネルの中へ、はいっていくのでした。

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: