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時をかける少女17

时间: 2017-12-30    进入日语论坛
核心提示: 未来からきた少年「どう説明したらいいかなあ――」 深町一夫は、ちょっと考えこんだ。やがて和子の方に向きなおり、軽く息を
(单词翻译:双击或拖选)
  未来からきた少年
 
 
「どう説明したらいいかなあ――」
 深町一夫は、ちょっと考えこんだ。やがて和子の方に向きなおり、軽く息を吸いこんでから、しゃべりはじめた。
「説明するのには、ちょっと時間がかかる。でも、これからぼくのいうことは全部ほんとうのことなんだ。信じてほしいんだが――といっても、もうきみは、いろんな不思議なできごと、つまり、きみにとっては不可解なできごとを、たくさん経験しているんだから、外の人なんかよりは、簡単に理解してくれるかもしれないけどね。ひとことでいうと――つまりぼくは、その――未来人なんだ」
「未来人ですって!」
 和子は、はげしいショックをうけた。どんなことでも信じょうとは思っていたものの、あまりにも飛躍が大きすぎたのだ。それは、常識の限界を――少なくとも和子の常識をこえた説明だった。しばらくぼうぜんとしたのち、和子は、はげしくかぶり[#「かぶり」に傍点]を振った。
「信じられないわ」
「だろうね」
 一夫は意外にも、あっさりとそういってのけ、軽くうなずいた。
「無理ないさ。まるでSFだものな」
 ――冗談なのかしら? 和子はそう思った。でもわたしは、こんなときに冗談をいう気にはならない。
「未来から、タイム・マシンに乗ってやってきたとでもいうの?」
 せいいっぱい皮肉をこめ、和子がそういうと、一夫はまじめな顔つきでかぶりを振った。
「そうじゃないさ。きみがやったのと同じ方法できたんだよ。わかるだろ? 時間跳躍、そして身体移動さ」
 やっぱり本気なんだわ――和子は今自分のいるへやが、ぐるぐる回りだしたように思え、思わずふらつく足を、あわててふみしめた。一夫は、話し続けていた。
「もしぼくの話を信じられないようなら、別に信じてくれなくったってかまわない。おとぎ話を聞くつもりで、聞いていてくれればいい。どちらにしろ、きみはあれだけ苦しんだんだから、ぼくの説明を聞く権利があるわけだ。だけど、ぼくの話がとっぴすぎるからといって、もっと現実的な説明を求められたところで、ぼくにできる話というのは、これだけなんだ。ぼくはうそをつくのはきらいだからね」
「聞くわ」
 和子はそういった。もうこうなれば、どんな狂気じみた話だろうと、最後まで開かずにはいられなかった。
「じゃ、話そう。そうだ、そのまえに、時間を止めよう。だれかがくるといけないからね」
「なんですって?」
 和子はとびあがって叫んだ。だが、それにはおかまいなく、一夫はポケットからトランジスター・ラジオに似た装置を出し、アンテナを引き出した。
「さあ、これでもう、この世界で動いたり、話したりしているのは、ぼくときみだけだよ。うそと思うなら、窓から外を見てごらん」
 こともなげに窓をさして、和子にそう教える一夫を、かの女は泣きそうな顔で凝視した。
 ――この人は、正気なのかしら? ああ、そのまえに、これは現実なのだろうか? こんなとほうもないことをつぎつぎと聞かされたのでは、わたしは気が狂ってしまう!
 ぼんやりたたずんだままの和子に、一夫は苦笑して見せた。
「さあ、見てごらんよ。早く」
 かれは和子に近づき、かの女の手をとると、窓ぎわにつれて行った。一夫の手は、ひどく冷たく感じられた。
 ――まあ、まるで女の人の手みたい……。
 和子はそんなことをぼんやり思いながら、一夫に引っぱられるまま二階の窓から、学校の前を走っている国道をながめた。
 商店街の前を通るその白い国道には、数台の車が止まっていた。バスも、トラックも、乗用車も、すべて国道のまん中[#「まん中」に傍点]で止まっているのだ! いや、それどころではない。国道ぞいの歩道、横断歩道にも、人がたたずんでいた。歩くかっこうをしたままで! そして犬は――その犬に気がつき、和子は目を見はった――。その犬はなんと、走るかっこうをしたまま、地面からなん十センチか離れた宙に浮かんで止まっているではないか?
 正確にいえば、車や人や犬が止まっているのではなく、時間そのものが止まっているのだ。和子はもう、それ以上驚く気力もなく、ただぼんやりと、それらの、非現実的な、まるで絵にかかれたような情景をながめるだけだった。
「時間が……止まったのね――」
 和子はそうつぶやいた。あたりは静かだった。さっきまで聞こえていた車の警笛も、ぴたりとやんでいた。
「と、いうよりむしろ、時間が前進するのと同じ速度で、ぼくたちふたりが時間を後退しているといったほうがいいだろうね。だからぼくたちの目には、時間が止まったように感じられるのだ」
「どうして、そんなことができるの?」
「この装置だよ。こいつがぼくたちふたりの周囲に、強力なエネルギー・スクリーンを張りめぐらせて、外界と遮断《しゃだん》してくれるんだ。その日に見えないテンションの内部で、時間|遡《そ》行《こう》(さかのぼること)が行なわれる。このフォース・バリヤーは、その他いろんなことに応用できるんだけどね」
「わ……わからないわ、何がなんだか……」
「なあに、理屈なんかわからなくったっていいさ」
 一夫は気軽にそういうと、ふたたび和子の手をとって、実験室のまん中に引き返した。
「さてと。では話そうかな、そもそもの最初から……」
 一夫は、和子に話すのを、楽しんでいるかのように見えた。
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