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「父との会話」

时间: 2016-08-14    进入日语论坛
核心提示:今日も疲れた顔をして帰ってきた父に、我が家で「お帰りなさい」と言うのは祖母だけだ。私がそんなことを思い返すのは、たいてい
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今日も疲れた顔をして帰ってきた父に、我が家で「お帰りなさい」と言うのは祖母だけだ。私がそんなことを思い返すのは、たいてい家族のみんなが寝静まった後だった。 
我が家は、父と二人の妹、祖父、祖母、そして私の六人家族だ。母は、私が八歳の時に他界した。私の父は、よく喋るタイプではなく、ひたすら読書をしていたり、考え事をしているタイプの人だ。怒ることはほとんどなく、新聞やテレビのニュースでしょっちゅう目を潤ませている、そんな人でもある。 
しかし私は、父のことが大嫌いだった。その理由が聞かれていも答えられない。特に理由があったというわけでもなく、近くにいたくないとか、そんなくだらない話だ。私と同じくらいの歳の女の子なら、誰もが経験していることだろう。 
今は、父を完全無視するような状態ではなくなったが、おたがいにゆっくり話をする機会もない。そんな私に続くかのように、二人の妹達は今まさに、かつての私と父のような状態にあるのだ。 
そんな中、「父拒絶時代」を卒業した私が思うのは、親子の会話の大切さだ。私は父ともっと話がしたいと思っている。だが、それをなかなか実行に移すことができない自分がいる。 
私たち三姉妹親は、現在この世でたった一人、父だけしかいないのだ。それにもかかわらず、私たちと父との話はめったにないと言えるに等しい。「ちょっと」「あ、そう」「別に」といった、会話なるものとはまったく似ても似つかない言葉だ。妹たちが何を思うのかは分からないが、私はそれがなんとなく寂しく感じる。 
よその家の女の子は、お父さんと何を話しているのだろうか。聞きたくてもそんなことは聞けない。問いかけ以前に、私は直感的にこう感じてしまう。「普通の女の子は、きっとお母さんと話をするんだろうか。」と。女の子の話相手は、やはり同じ女性である母親が一番だろう。しかし、我が家には男親しかない。そのことに苛立ちを感じ、父を拒絶していた頃、私はこの上なくひどいことを思ってことがある。「いなくなったのが、お母さんじゃなくて、お父さんだったらいいのに。」と。直接口にはしなかったが、そんなことを少しでも思ってしまった自分に、今でも怒りが込み上げてくる。 
私が八年前に母をなくしたのと同時に、父は最愛のパートナーを失った。けれども父は、私たち家族のために毎日一生懸命働いていてくれる。父がいなかったら、私たち家族はどうなってしまうか分からない。もしも私が、父と同じように、人生を共にしていく愛する人を失ったら、生きる力なんて持つことができなくなるはずだ。だが、父は私たちのたった一人の親として、生きていてくれる。だから今、私はそんな父を、母に対する思いと同じくらい尊敬している。 
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