大きくなったよね。
今や君も中学二年生だ。ここまで育ってくれて本当に嬉しいよ。
君が成長していく姿が、お父さんにとって最高の喜びだ。
君のおかげで、お父さんは親としての喜びを知ることができた。
これは何者にも替えがたい喜びなんだ。
君もいつか親になったときに知るだろう。
クリスマスや君の誕生日がやってくるたびに、いかにして君を喜ばそうかと、おかあさんと一緒に考えたなあ。
1それは、お父さんとお母さんにとって、何より楽しみなこと。
君はお父さんとお母さんに、たくさんの喜びと楽しみと感動をもたらしてくれた。
君はまさに天から授かった宝だ。
君が幼稚園に通っていたころ、父の日にくれたプレゼントを覚えているかな?
君が描いてくれたお父さんの顔の絵だ。
お父さんはそれを会社に持っていって、引き出しに入れていたんだ。
仕事で辛いことがあっても、その絵を見ると元気が出てきた。
君の存在が、お父さんに元気と勇気とやる気を与えてくれた。
お父さんを人間として成長させてくれた。
お父さんは君からたくさんのものをもらっているんだ。
だからこれからは、君に恩返ししていきたいと思っている。
君に謝りたいとこもある。
一学期の君の成績表を見て、お父さんは「塾に行きなさい」って言ったよね。
「今ちゃんと勉強しておかないと将来困るぞ」とも言った。
君は「もっと友達と遊びたいから塾には行かない」と言った。
そんな君にお父さんはこう言った。
「クラブ活動をするわけでもない。勉強も頑張るわけでもない。毎日だらだらと友達と遊んでばかりじゃないか。お父さんは親として恥ずかしいぞ」
君はすねた態度を取ったけど、本当はお父さんの言葉に傷ついたんだろう。
美穂、ごめんね。
心にもないことを言ってしまった。
親として恥ずかしいなんて、とんでもない。
本当は君の親であることを誇りに思っている。
君の優しさ、純粋さ、そして自分に正直なところを尊敬してるんだ。
なのに、君の将来を心配するあまり、心にもないことを言ってしまった。
どうか許してほしい。
今回、この手紙を書くにあたって、あらためて君の将来について考えてみた。
そして一つの結論にたどりついた。
2美穂、君なら大丈夫だ。
どんなプロセスを経ようと、どんな道を選ぼうと、君はきっと幸せな人生を送るだろう。
君はしっかりしている。
そして、人として素敵な魅力をもっている。
だから大丈夫だ。
安心して、今したいことをしたらいい。
今を幸せに生きたらいい。
お父さんは、君が君であることをいつまでも応援するから。
神様へ
久美子と美穂に出会わせていただきありがとうございます。
素敵な家族と幸せな人生をありがとうございます。