おとうさん。いつもおもしろいことを言って笑わせてくれてありがとう。ダメなことはしっかり叱ってくれてありがとう。わたしを大切にしてくれてありがとう。
半年前にわたしはおかあさんになりました。まだ二十歳の一人では生きていけないおかあさん。子どもを産んで初めて思ったよ。おかあさんとおとうさんが、どれだけ大切にわたしを想ってくれていたか。
わたしは言うことの聞かない子でしたね。夜は遅く帰って、朝は早く出て行って、ほとんど家にいない子でした。
十九歳の春、わたしの体調が良くないことに一番に気付いたおかあさんは、わたしにこう言いました。「妊娠したんやろ」って。そのときわたしは泣きながらあなたに、「ごめんなさい」って言いました。
まだ大学生で、自分のしてしまった事の重大さにわたしはただ泣くだけしかできなかった時、あなたは「産むんか、どうするんや」と、とても優しく言ってくれたのを、今でもよく覚えています。
おかあさん。あの時、わたしに産む選択肢を与えてくれてありがとう。
おとうさん。その後おかあさんから妊娠したことを聞いたのに、わたしにストレスを与えまいと何も言わないでいてくれてありがとう。
わたしは、あなたたちの心の寛大さにとても救われました。
今、おかあさんとなって、家族が二人になりました。わたしとむすめ、二人だけの家族。きっとこれから、いろんな大変なことが待ってると思う。
けど大丈夫。おかあさんとおとうさんが、わたしを信じて愛してくれたように、わたしも人を信じて愛することを忘れません。
この小さな素晴らしいかけがえのない命を、おかあさんとおとうさんがわたしにしてくれたように、ずっと大切に育てていくね。
今、わたしは毎日幸せいっぱいです。おかあさんおとうさん、そしてわたしの大切なむすめへ「ありがとう。」