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» 正文
牛女
时间:
2022-09-01
进入日语论坛
核心提示:ある村むらに、脊せの高たかい、大おおきな女おんながありました。あまり大おおきいので、くびを垂たれて歩あるきました。その女
(单词翻译:双击或拖选)
ある
村
むら
に、
脊
せ
の
高
たか
い、
大
おお
きな
女
おんな
がありました。あまり
大
おお
きいので、くびを
垂
た
れて
歩
ある
きました。その
女
おんな
は、おしでありました。
性質
せいしつ
は、いたってやさしく、
涙
なみだ
もろくて、よく、
一人
ひとり
の
子供
こども
をかわいがりました。
女
おんな
は、いつも
黒
くろ
いような
着物
きもの
をきていました。ただ
子供
こども
と
二人
ふたり
ぎりでありました。まだ
年
とし
のいかない
子供
こども
の
手
て
を
引
ひ
いて、
道
みち
を
歩
ある
いているのを、
村
むら
の
人
ひと
はよく
見
み
たのであります。そして、
大女
おおおんな
でやさしいところから、だれがいったものか「
牛女
うしおんな
」と
名
な
づけたのであります。
村
むら
の
子供
こども
らは、この
女
おんな
が
通
とお
ると、「
牛女
うしおんな
」が
通
とお
ったといって、
珍
めずら
しいものでも
見
み
るように、みんなして、
後
うし
ろについていって、いろいろのことをいいはやしましたけれど、
女
おんな
はおしで、
耳
みみ
が
聞
き
こえませんから、
黙
だま
って、いつものように
下
した
を
向
む
いて、のそりのそりと
歩
ある
いてゆくようすが、いかにもかわいそうであったのであります。
牛女
うしおんな
は、
自分
じぶん
の
子供
こども
をかわいがることは、
一通
ひととお
りでありませんでした。
自分
じぶん
が
不具者
ふぐしゃ
だということも、
子供
こども
が、
不具者
ふぐしゃ
の
子
こ
だから、みんなにばかにされるのだろうということも、
父親
ちちおや
がないから、ほかにだれも
子供
こども
を
育
そだ
ててくれるものがないということも、よく
知
し
っていました。
それですから、いっそう
子供
こども
に
対
たい
する
不憫
ふびん
がましたとみえて、
子供
こども
をかわいがったのであります。
子供
こども
は
男
おとこ
の
子
こ
で、
母親
ははおや
を
慕
した
いました。そして、
母親
ははおや
のゆくところへは、どこへでもついてゆきました。
牛女
うしおんな
は、
大女
おおおんな
で、
力
ちから
も、またほかの
人
ひと
たちよりは、
幾倍
いくばい
もありましたうえに、
性質
せいしつ
が、やさしくあったから、
人々
ひとびと
は、
牛女
うしおんな
に
力仕事
ちからしごと
を
頼
たの
みました。たきぎをしょったり、
石
いし
を
運
はこ
んだり、また、
荷物
にもつ
をかつがしたり、いろいろのことを
頼
たの
みました。
牛女
うしおんな
は、よく
働
はたら
きました。そして、その
金
かね
で
二人
ふたり
は、その
日
ひ
、その
日
ひ
を
暮
く
らしていました。
こんなに
大
おお
きくて、
力
ちから
の
強
つよ
い
牛女
うしおんな
も、
病気
びょうき
になりました。どんなものでも、
病気
びょうき
にかからないものはないでありましょう。しかも、
牛女
うしおんな
の
病気
びょうき
は、なかなか
重
おも
かったのであります。そして
働
はたら
くこともできなくなりました。
牛女
うしおんな
は、
自分
じぶん
は
死
し
ぬのでないかと
思
おも
いました。もし、
自分
じぶん
が
死
し
ぬようなことがあったなら、
子供
こども
をだれが
見
み
てくれようと
思
おも
いました。そう
思
おも
うと、たとえ
死
し
んでも
死
し
にきれない。
自分
じぶん
の
霊魂
たましい
は、なにかに
化
ば
けてきても、きっと
子供
こども
の
行
ゆ
く
末
すえ
を
見守
みまも
ろうと
思
おも
いました。
牛女
うしおんな
の
大
おお
きなやさしい
目
め
の
中
なか
から、
大粒
おおつぶ
の
涙
なみだ
が、ぽとりぽとりと
流
なが
れたのであります。
しかし、
運命
うんめい
には
牛女
うしおんな
も、しかたがなかったとみえます。
病気
びょうき
が
重
おも
くなって、とうとう
牛女
うしおんな
は
死
し
んでしまいました。
村
むら
の
人々
ひとびと
は、
牛女
うしおんな
をかわいそうに
思
おも
いました。どんなに
置
お
いていった
子供
こども
のことに
心
こころ
を
取
と
らたろうと、だれしも
深
ふか
く
察
さっ
して、
牛女
うしおんな
をあわれまぬものはなかったのであります。
人々
ひとびと
は
寄
よ
り
集
あつ
まって、
牛女
うしおんな
の
葬式
そうしき
を
出
だ
して、
墓地
ぼち
にうずめてやりました。そして、
後
あと
に
残
のこ
った
子供
こども
を、みんながめんどうを
見
み
て
育
そだ
ててやることになりました。
子供
こども
は、ここの
家
うち
から、かしこの
家
うち
へというふうに
移
うつ
り
変
か
わって、だんだん
月日
つきひ
とともに
大
おお
きくなっていったのであります。しかし、うれしいこと、また、
悲
かな
しいことがあるにつけて、
子供
こども
は
死
し
んだ
母親
ははおや
を
恋
こい
しく
思
おも
いました。
村
むら
には、
春
はる
がき、
夏
なつ
がき、
秋
あき
となり、
冬
ふゆ
となりました。
子供
こども
は、だんだん
死
し
んだ
母親
ははおや
をなつかしく
思
おも
い、
恋
こい
しく
思
おも
うばかりでありました。
ある
冬
ふゆ
の
日
ひ
のこと、
子供
こども
は、
村
むら
はずれに
立
た
って、かなたの
国境
こっきょう
の
山々
やまやま
をながめていますと、
大
おお
きな
山
やま
の
半腹
はんぷく
に、
母
はは
の
姿
すがた
がはっきりと、
真
ま
っ
白
しろ
な
雪
ゆき
の
上
うえ
に
黒
くろ
く
浮
う
き
出
だ
して
見
み
えたのであります。これを
見
み
ると、
子供
こども
はびっくりしました。けれど、このことを
口
くち
に
出
だ
してだれにもいいませんでした。
子供
こども
は、
母親
ははおや
が
恋
こい
しくなると、
村
むら
はずれに
立
た
って、かなたの
山
やま
を
見
み
ました。すると、
天気
てんき
のいい
晴
は
れた
日
ひ
には、いつでも
母親
ははおや
の
黒
くろ
い
姿
すがた
をありありと
見
み
ることができたのです。ちょうど
母親
ははおや
は、
黙
だま
って、じっとこちらを
見
み
つめて、
我
わ
が
子
こ
の
身
み
の
上
うえ
を
見守
みまも
っているように
思
おも
われたのでありました。
子供
こども
は、
口
くち
に
出
だ
して、そのことをいいませんでしたけれど、いつか
村人
むらびと
は、ついにこれを
見
み
つけました。
「
西
にし
の
山
やま
に、
牛女
うしおんな
が
現
あらわ
れた。」と、いいふらしました。そして、みんな
外
そと
に
出
で
て、
西
にし
の
山
やま
をながめたのであります。
「きっと、
子供
こども
のことを
思
おも
って、あの
山
やま
に
現
あらわ
れたのだろう。」と、みんなは
口々
くちぐち
にいいました。
子供
こども
らは、
天気
てんき
のいい
晩方
ばんがた
には、
西
にし
の
国境
こっきょう
の
山
やま
の
方
ほう
を
見
み
て、
「
牛女
うしおんな
!
牛女
うしおんな
!」と、
口々
くちぐち
にいって、その
話
はなし
でもちきったのです。
ところが、いつしか
春
はる
がきて、
雪
ゆき
が
消
き
えかかると、
牛女
うしおんな
の
姿
すがた
もだんだんうすくなっていって、まったく
雪
ゆき
が
消
き
えてしまう
春
はる
の
半
なか
ばごろになると、
牛女
うしおんな
の
姿
すがた
は
見
み
られなくなってしまったのです。
しかし、
冬
ゆふ
となって、
雪
ゆき
が
山
やま
に
積
つ
もり
里
さと
に
降
ふ
るころになると、
西
にし
の
山
やま
に、またしても、ありありと
牛女
うしおんな
の
黒
くろ
い
姿
すがた
が
現
あらわ
れました。
村
むら
の
人々
ひとびと
や
子供
こども
らは
冬
ふゆ
の
間
あいだ
、
牛女
うしおんな
のうわさでもちきりました。そして、
牛女
うしおんな
の
残
のこ
していった
子供
こども
は、
恋
こい
しい
母親
ははおや
の
姿
すがた
を、
毎日
まいにち
のように
村
むら
はずれに
立
た
ってながめたのであります。
「
牛女
うしおんな
が、また
西
にし
の
山
やま
に
現
あらわ
れた。あんなに
子供
こども
の
身
み
の
上
うえ
を
心配
しんぱい
している。かわいそうなものだ。」と、
村人
むらびと
はいって、その
子供
こども
のめんどうをよく
見
み
てやったのす。
やがて
春
はる
がきて、
暖
あたた
かになると、
牛女
うしおんな
の
姿
すがた
は、その
雪
ゆき
とともに
消
き
えてしまったのでありました。
こうして、くる
年
とし
も、くる
年
とし
も、
西
にし
の
山
やま
に
牛女
うしおんな
の
黒
くろ
い
姿
すがた
は
現
あらわ
れました。そのうちに、
子供
こども
は
大
おお
きくなったものですから、この
村
むら
から
程近
ほどちか
い、
町
まち
のある
商家
しょうか
へ、
奉公
ほうこう
させられることになったのであります。
子供
こども
は、
町
まち
にいってからも、
西
にし
の
山
やま
を
見
み
て
恋
こい
しい
母親
ははおや
の
姿
すがた
をながめました。
村
むら
の
人々
ひとびと
は、その
子供
こども
がいなくなってからも、
雪
ゆき
が
降
ふ
って、
西
にし
の
山
やま
に
牛女
うしおんな
の
姿
すがた
が
現
あらわ
れると、
母親
ははおや
と、
子供
こども
の
情合
じょうあ
いについて、
語
かた
り
合
あ
ったのでありました。
「ああ、
牛女
うしおんな
の
姿
すがた
があんなにうすくなったもの、
暖
あたた
かになったはずだ。」と、しまいには、
季節
きせつ
の
移
うつ
り
変
か
わりを、
牛女
うしおんな
について
人々
ひとびと
はいうようになったのでした。
牛女
うしおんな
の
子供
こども
は、ある
年
とし
の
春
はる
、
西
にし
の
山
やま
に
現
あらわ
れた
母親
ははおや
の
許
ゆる
しも
受
う
けずに、かってにその
商家
しょうか
から
飛
と
び
出
だ
して、
汽車
きしゃ
に
乗
の
って、
故郷
ふるさと
を
見捨
みす
てて、
南
みなみ
の
方
ほう
の
国
くに
へいってしまったのであります。
村
むら
の
人
ひと
も、
町
まち
の
人
ひと
も、もうだれも、その
子供
こども
のことについて、その
後
のち
のことを
知
し
ることができませんでした。そのうちに、
夏
なつ
も
過
す
ぎ、
秋
あき
も
去
さ
って、
冬
ふゆ
となりました。
やがて、
山
やま
にも、
村
むら
にも、
町
まち
にも、
雪
ゆき
が
降
ふ
って
積
つ
もりました。ただ
不思議
ふしぎ
なのは、どうしたことか、
今年
ことし
にかぎって、
西
にし
の
山
やま
に
牛女
うしおんな
の
姿
すがた
が
見
み
えないことでありました。
人々
ひとびと
は、
牛女
うしおんな
の
姿
すがた
が
見
み
えないのをいぶかしがって、
「
子供
こども
が、もう
町
まち
にいなくなったから、
牛女
うしおんな
は
見守
みまも
る
必要
ひつよう
がなくなったのだろう。」と、
語
かた
り
合
あ
いました。
その
冬
ふゆ
も、いつしか
過
す
ぎて
春
はる
がきたころであります。
町
まち
の
中
なか
には、まだところどころに
雪
ゆき
が
消
き
えずに
残
のこ
っていました。ある
日
ひ
の
夜
よる
のことであります。
町
まち
の
中
なか
を
大
おお
きな
女
おんな
が、のそりのそりと
歩
ある
いていました。それを
見
み
た
人々
ひとびと
は、びっくりしました。まさしく、それは
牛女
うしおんな
であったからであります。
どうして
牛女
うしおんな
が、どこからきたものかと、みんなは
語
かた
り
合
あ
いました。
人々
ひとびと
はその
後
のち
もたびたび
真夜中
まよなか
に、
牛女
うしおんな
がさびしそうに
町
まち
の
中
なか
を
歩
ある
いている
姿
すがた
を
見
み
たのでありました。
「きっと
牛女
うしおんな
は、
子供
こども
が
故郷
こきょう
から
出
で
ていってしまったのを
知
し
らないのだろう。それで、この
町
まち
の
中
なか
を
歩
ある
いて、
子供
こども
を
探
さが
しているのにちがいない。」と、
人々
ひとびと
はいいました。
雪
ゆき
がまったく
消
き
えて、
町
まち
の
中
なか
には
跡
あと
をも
止
と
めなくなりました。
木々
きぎ
は、みんな
銀色
ぎんいろ
の
芽
め
をふいて、
夜
よる
もうす
明
あか
るくていい
季節
きせつ
となりました。
ある
夜
よ
、
人
ひと
は
牛女
うしおんな
が
町
まち
の
暗
くら
い
路次
ろじ
に
立
た
って、さめざめと
泣
な
いているのを
見
み
たといいます。しかしその
後
のち
、だれひとり、また
牛女
うしおんな
の
姿
すがた
を
見
み
たものがありません。
牛女
うしおんな
はどうしたことか、もはやこの
町
まち
にはおらなかったのです。
その
年
とし
以来
いらい
、
冬
ふゆ
になっても、ふたたび
山
やま
には
牛女
うしおんな
の
黒
くろ
い
姿
すがた
は
見
み
えなかったのであります。
牛女
うしおんな
の
子供
こども
は、
南
みなみ
の
方
ほう
の
雪
ゆき
の
降
ふ
らない
国
くに
へいって、そこでいっしょうけんめいに
働
はたら
きました。そして、かなりの
金持
かねも
ちとなりました。そうすると、
自分
じぶん
の
生
う
まれた
国
くに
がなつかしくなったのであります。
国
くに
へ
帰
かえ
っても、
母親
ははおや
もなければ、
兄弟
きょうだい
もありませんけれど、
子供
こども
の
時分
じぶん
に
自分
じぶん
を
育
そだ
ててくれたしんせつな
人々
ひとびと
がありました。
彼
かれ
は、その
人
ひと
たちや、
村
むら
のことを
思
おも
い
出
だ
しました。その
人
ひと
たちに
対
たい
して、お
礼
れい
をいわなければならぬと
思
おも
いました。
子供
こども
は、たくさんの
土産物
みやげもの
と、お
金
かね
とを
持
も
って、はるばると
故郷
こきょう
に
帰
かえ
ってきたのであります。そして、
村
むら
の
人々
ひとびと
に
厚
あつ
くお
礼
れい
を
申
もう
しました。
村
むら
の
人
ひと
たちは、
牛女
うしおんな
の
子供
こども
が
出世
しゅっせ
をしたのを
喜
よろこ
び、
祝
いわ
いました。
牛女
うしおんな
の
子供
こども
は、なにか、
自分
じぶん
は
事業
じぎょう
をしなければならぬと
考
かんが
えました。そこで
村
むら
に
広
ひろ
い
地面
じめん
を
買
か
って、たくさんのりんごの
木
き
を
植
う
えました。
大
おお
きないいりんごの
実
み
を
結
むす
ばして、それを
諸国
しょこく
に
出
だ
そうとしたのであります。
彼
かれ
は、
多
おお
くの
人
ひと
を
雇
やと
って、
木
き
に
肥料
ひりょう
をやったり、
冬
ふゆ
になると
囲
かこ
いをして、
雪
ゆき
のために
折
お
れないように
手
て
をかけたりしました。そのうちに
木
き
はだんだん
大
おお
きく
伸
の
びて、ある
年
とし
の
春
はる
には、
広
ひろ
い
畑
はたけ
一
面
めん
に、さながら
雪
ゆき
の
降
ふ
ったように、りんごの
花
はな
が
咲
さ
きました。
太陽
たいよう
は
終日
しゅうじつ
、
花
はな
の
上
うえ
を
明
あか
るく
照
て
らして、みつばちは、
朝
あさ
から
日
ひ
の
暮
く
れるまで、
花
はな
の
中
なか
をうなりつづけていました。
初夏
しょか
のころには、
青
あお
い、
小
ちい
さな
実
み
が
鈴生
すずな
りになりました。そして、その
実
み
がだんだん
大
おお
きくなりかけた
時分
じぶん
に、一
時
じ
に
虫
むし
がついて、
畑全体
はたぜんたい
にりんごの
実
み
が
落
お
ちてしまいました。
明
あ
くる
年
とし
も、その
明
あ
くる
年
とし
も、
同
おな
じように、りんごの
実
み
は
落
お
ちてしまいました。それはなんとなく、
子細
しさい
のあるらしいことでありました。
村
むら
のもののわかったじいさんは、
牛女
うしおんな
の
子供
こども
に
向
む
かって、
「なにかのたたりかもしれない。おまえさんには、
心
こころ
あたりになるようなことはないかな。」と、あるとき、
聞
き
きました。
牛女
うしおんな
の
子供
こども
は、そのときは、なにもそれについて
思
おも
い
出
だ
すことはありませんでした。
しかし、
彼
かれ
は
独
ひと
りとなって、
静
しず
かに
考
かんが
えたとき、
自分
じぶん
は
町
まち
から
出
で
て、
遠方
えんぽう
へいった
時分
じぶん
にも、
母親
ははおや
の
霊魂
たましい
に
無断
むだん
であったことを
思
おも
いました。また、
故郷
こきょう
へ
帰
かえ
ってきてからも、
母親
ははおや
のお
墓
はか
におまいりをしたばかりで、まだ
法事
ほうじ
も
営
いとな
まなかったことを
思
おも
い
出
だ
しました。
あれほど、
母親
ははおや
は、
自分
じぶん
をかわいがってくれたのに、そして、
死
し
んでからもああして
自分
じぶん
の
身
み
の
上
うえ
を
守
まも
ってくれたのに、
自分
じぶん
はそれに
対
たい
して、あまり
冷淡
れいたん
であったことに、
心
こころ
づきました。きっと、これは
母
はは
の
怒
いか
りであろうと
思
おも
いましたから、
子供
こども
は、
懇
ねんご
ろに
母親
ははおや
の
霊魂
たましい
を
弔
とむら
って、
坊
ぼう
さんを
呼
よ
び、
村
むら
の
人々
ひとびと
を
呼
よ
び、
真心
まごころ
をこめて
母親
ははおや
の
法事
ほうじ
を
営
いとな
んだのでありました。
明
あ
くる
年
とし
の
春
はる
、またりんごの
花
はな
は
真
ま
っ
白
しろ
に
雪
ゆき
のごとく
咲
さ
きました。そして、
夏
なつ
には、
青々
あおあお
と
実
みの
りました。
毎年
まいとし
このころになると、
悪
わる
い
虫
むし
がつくのでありましたから、
今年
ことし
は、どうか
満足
まんぞく
に
実
み
を
結
むす
ばせたいと
思
おも
いました。
すると、その
年
とし
の
夏
なつ
の
日暮
ひぐ
れ
方
がた
のことであります。どこからとなく、たくさんのこうもりが
飛
と
んできて、
毎晩
まいばん
のようにりんご
畑
ばたけ
の
上
うえ
を
飛
と
びまわって、
悪
わる
い
虫
むし
をみんな
食
た
べたのであります。その
中
なか
に、一ぴき
大
おお
きなこうもりがありました。その
大
おお
きなこうもりは、ちょうど
女王
じょおう
のように、ほかのこうもりを
率
ひき
いているごとく、
見
み
えました。
月
つき
が
円
まる
く、
東
ひがし
の
空
そら
から
上
のぼ
る
晩
ばん
も、また、
黒雲
くろくも
が
出
で
て
外
そと
の
真
ま
っ
暗
くら
な
晩
ばん
も、こうもりは、りんご
畑
ばたけ
の
上
うえ
を
飛
と
びまわりました。その
年
とし
は、りんごに
虫
むし
がつかずよく
実
みの
って、
予想
よそう
したよりも、
多
おお
くの
収穫
しゅうかく
があったのであります。
村
むら
の
人々
ひとびと
は、たがいに
語
かた
らいました。
「
牛女
うしおんな
が、こうもりになってきて、
子供
こども
の
身
み
の
上
うえ
を
守
まも
るんだ。」と、そのやさしい、
情
じょう
の
深
ふか
い、
心根
こころね
を
哀
あわ
れに
思
おも
ったのであります。
また、つぎの、つぎの
年
とし
も、
夏
なつ
になると、一ぴきの
大
おお
きなこうもりが、
多
おお
くのこうもりを
率
ひき
いてきて、りんご
畑
ばたけ
の
上
うえ
を
毎晩
まいばん
のように
飛
と
びまわりました。そして、りんごには、おかげで
悪
わる
い
虫
むし
がつかずによく
実
みの
りました。
こうして、それから四、五
年
ねん
の
後
のち
には、
牛女
うしおんな
の
子供
こども
は、この
地方
ちほう
での
幸福
こうふく
な
身
み
の
上
うえ
の百
姓
しょう
となったのであります。
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