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笑わなかった少年(2)_小川未明童話集_日语阅读_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示: こういって、お母かあさんは、また目めをおふきになりました。「だが、お母かあさん、笑わらったやつもあったけど、笑わらわな
(单词翻译:双击或拖选)
 こういって、おかあさんは、またをおふきになりました。
「だが、おかあさん、わらったやつもあったけど、わらわないものだってありましたよ。わらったやつは、こんどなぐってやるのだ。」と、小田おだが、いいました。
「そんなことをしてはいけません。おまえが、乱暴らんぼうだから、みんなが、こんなときにわらうのです。どちらがただしいかわかるときがありますから、けっして、そんな乱暴らんぼうをしてはいけません。」と、おかあさんは、おいましめになりました。
小田おだは、かんがえていましたが、
「ねえ、おかあさん、いつか、うちあそびにきたことのある、北川きたがわくんなどは、だまってきいていましたよ。」といいました。
「よくもののわかる、おりこうなおさんですね。」と、おかあさんは、いって、また、なみだをおふきになりました。
それから、二、三にちしてからです。小田おだは、学校がっこうへゆく途中とちゅうで、あちらからきた、北川きたがわくんに出遇でくわしました。かれは、今年ことしから学校がっこうに上がったという、ちいさなおとうとといっしょでありました。
「おはよう。」
「いっしょにいこうよ。」
たがいに、こえをかけって、三にんが、ならんであるきました。そして、学校がっこうもんをはいったときであります。
「ひとりで、パンがえる?」と、北川きたがわくんが、まって、やさしくおとうとかおをのぞくようにして、きいていました。
ちいさなおとうとは、だまって、うなずきました。
「もし、おかねとしたら、にいさんのところへいってくるのだよ。」と、北川きたがわくんは、いっていました。
兄弟きょうだいたない小田おだは、このなかのいい二人ふたりのようすをて、こころからうらやまずにはいられなかったのです。
ぼくたち、おかあさんが、かぜをひいてねているので、今日きょうは、弁当べんとうってこなかったんだ。」と、北川きたがわくんが、小田おだかって、はなしました。
そのとき、小田おだは、また自分じぶんのおかあさんのことをおもわずにはいられませんでした。
「いまごろ、おかあさんは、いっしょうけんめいで、お仕事しごとをなさっているだろう……。」
そうおもうと、おかあさんの、お仕事しごとをなさっている姿すがたが、にありありとかんできて、しぜんとあつなみだがわいてくるのでした。
その、ちょうど、おひるまえやす時間じかんでありました。北川きたがわおとうとさんが、しきりににいさんをさがしているのをつけましたから、小田おだは、おおきなこえで、
北川きたがわくん!」と、んで、らせたのです。
北川きたがわは、すぐにはしってきました。そして、おとうとのそばへいって、なにかいうのをきいていましたが、
「だから、をつけるようにいったじゃないか。」というこえがきこえたかとおもうと、ちいさなおとうとは、しくしくときだしました。
小田おだは、おとうとが、パンのおかねとしたのだなとさとりました。しかし、いってたずねるまもなく、
かんだって、いいのだよ。」といって、北川きたがわが、自分じぶんっているおかねをやって、おとうとあたまをなでると、おとうとは、くのをやめて、きゅうに、元気げんきづいて、あちらへしてゆきました。
「なんて、ほがらかな兄弟きょうだいだろう。」と、小田おだは、このさまて、感心かんしんしました。
そのうちに、はな時間じかんもなく、ベルがってお教室きょうしつはいり、授業じゅぎょうがはじまりました。
いよいよおひるになって、みんながお弁当べんとうべるときとなったのです。ひとり、北川きたがわだけはつくえかって、宿題しゅくだいをしていました。
小田おだには、なにもかもわかっていました、自分じぶんが、パンをべずに、おとうとにパンをってやったことも。このこころがあればこそ、このあいだも、自分じぶんはなしをまじめにきいていてくれたのだと、小田おだは、おもいました。
「これが、ほんとうの同情どうじょうというものだ。」
そう小田おださとると、自分じぶん行為こういまでがかえりみられて、これから、自分じぶんも、ほんとうのただしい、つよ人間にんげんになろうと決心けっしんしたのでした。
 
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