返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 小川未明童話集 » 正文

正二くんの時計(1)

时间: 2022-11-07    进入日语论坛
核心提示:正二くんの時計小川未明正二しょうじくんは時計とけいがほしかったので、これまでいくたびもお父とうさんや、お母かあさんに、買
(单词翻译:双击或拖选)

正二くんの時計

小川未明


正二しょうじくんは時計とけいがほしかったので、これまでいくたびもおとうさんや、おかあさんに、ってくださいとたのんだけれども、そのたびに、
中学ちゅうがくがるときにってあげます。いまのうちはいりません。」というご返事へんじでした。
戦争せんそうがはじまってから、時計とけいは、もう外国がいこくからこなくなれば、国内こくないでもつくらなくなったというはなしくと、正二しょうじくんは、
っているうちに、はやってもらいたいものだ。」とおもったのです。それで、おとうさんにかって、またおたのみしたのでした。すると、
「なくなることはない。たかくなっても、おまえ中学ちゅうがくがるときにはってやるから、心配しんぱいしなくていい。」と、おとうさんは、いわれたのでした。
学校がっこうでは、小谷おたにも、安田やすだも、もりも、みんな時計とけいっていました。いままでっていなかった高橋たかはしも、このごろってもらったといっていました。正二しょうじくんは、みんなが上着うわぎのそでをちょっとまくって時計とけいるときのようすが、についていてうらやましくなりました。時計とけいがあると徒競走ときょうそうをしても、タイムがれるし、学校がっこうへいくバスのなかでも時計とけいがあれば、安心あんしんできるとおもったのです。正二しょうじくんは、いつかにいさんがいい時計とけいいたいといっていたことをおもして、にいさんのところへいきました。
にいさん、いつ時計とけいうの。」
「まだわからない。」
ったら、にいさんの時計とけいぼくにおくれよ。」といいました。
「ああ、やるけれど、一ねんさきだか、二ねんさきだかわからないぞ。」
「えっ、一ねんも、二ねんも……。」
正二しょうじくんは、おおきくみはったのです。
「うちに、おとうさんのまえっていた、おおきな時計とけいがあったろう。あれをもらうさ。」と、にいさんがいいました。
それは、大型おがたの、ひもでげるむかしふうのものでした。商店しょうてんか、古道具屋ふるどうぐや店頭てんとうでもなければ、られぬものです。
「やだ、あんなむかしのものなんか。」と、さすがに正二しょうじくんも、おかしくなって、わらいました。
「ばか、あれは、機械きかいがいいのだ。この時計とけいなんかとくらべものにならぬほど正確せいかくなんだ。」と、にいさんは、自分じぶん時計とけいをながめました。
「じゃ、にいさん、あれをおもらいよ。」
「あんなのげてあるけるか。」
これをくと、正二しょうじくんは、おとうさんのもとへんでいきました。
「おとうさん、ぼくに、おおきな時計とけいをおくれよ。」
「あれは、おまえなどの時計とけいではない。中学ちゅうがくがるとき、いい腕時計うでどけいってやるから。」
ぼくちきれないんだよ、だから、あのおおきいのをくれてもいいでしょう。」
とうさんは、だまっていられました。
正二しょうじくんは、おとうさんのへやへはいって、方々ほうぼうのひきだしをけて、おおきな銀時計ぎんどけいをさがしました。
やっとそれをつけると、おとうさんのまえってきて、
「もらっていいでしょう。」といいました。
「それをやるわりに、もうほかのをってやらないぞ。」
「ああ、いいです。」
正二しょうじくんは、時計とけいのひもをバンドにむすんで、そとかけました。ともだちにせるつもりです。
しょうちゃんのは、すばらしくおおきいんだね。」と、ひでちゃんが、いいました。
「これは、げるんだね、むかし時計とけいだろう。」と、賢吉けんきちくんが、いいました。
しょうちゃんの時計とけいおとは、ここまできこえる。」と、ひでちゃんが、すこしはなれたところにっていて、いいました。
正二しょうじは、こんな時計とけい学校がっこうっていったら、きっと小谷おたにや、もりわらわれるだろうとおもったので、おかあさんに、あずかってもらうことにしました。
「しかたがないから、四がつまでとうか、それともおねえさんがきたらたのんでみようか。」と、正二しょうじくんは、いろいろかんがえたのでした。
正二しょうじねえさんは、およめにいっていました。けれど、すえおとうと正二しょうじくんをかわいがっていたのです。
あるひさしぶりでいえへきたおねえさんは、正二しょうじくんから、時計とけいってくれとせがまれました。
「そんなにほしいのなら、ってあげます。そのかわり、いい成績せいせき卒業そつぎょうなさいね。」と、おねえさんは、まちへいって、正二しょうじくんに、学生向がくせいむきの腕時計うでどけいってくださいました。新型しんがたで、いかにも機械きかい精巧せいこうそうです。正二しょうじは、それをうでにはめて、よろこんでびまわりました。
「どれ、おせ。ぼくのよりも、いいようだぞ。」と、にいさんまでが、いったので、正二しょうじくんは、得意とくいでした。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: