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大根とダイヤモンドの話(1)

时间: 2022-11-18    进入日语论坛
核心提示:大根とダイヤモンドの話小川未明秋あきになって穫とれた野菜やさいは、みんな上じょうできでありましたが、その中なかにも、大根
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大根とダイヤモンドの話

小川未明


あきになってれた野菜やさいは、みんなじょうできでありましたが、そのなかにも、大根だいこんは、ことによくできたのであります。
しょうは、ほねをおった、かいのあることをいまさらながらよろこびました。そして、これだけにできるまでの、ったのことなどをかんがえずにはいられませんでした。
かれは、あるはたけて、たねをまきました。それが、ちいさなちょうのつばさのようなしてから、どんなにのかかったことでしょう。やわらかなに、むしがついたときに、それをってやりました。また、あつ日盛ひざかりには、らくらしているような人々ひとびとは、みんな昼寝ひるねをしている時分じぶんにも、はたけこえをかけてやりました。また、ひでりが幾日いくにちもつづいて、はたけつちしろかわきましたときに、みずをやることをおこたりませんでした。
こうした、ようようのほねおりで、大根だいこんは、こんなにみごとにできたのであります。百しょうは、かんがえるとうれしくてたまらなかったのであります。そして、自分じぶん子供こどもるようなつきをしてながめていました。
しょうは、自分じぶんあせなみだがかかり、またたましい宿やどっている、それらの野菜やさいを、そのまますぐにくるまんでまちりにゆくには、なんとなくしのびませんでした。
せめて、このなかのいいのを地主じぬしのところへっていってあげようとおもいました。
しょうは、たくさんの大根だいこんなかから、いちばんできのいいのを十ぽんばかりって、それをむら地主じぬしのところへってまいりました。
「だんなさま、今年ことしは、大根だいこんめずらしく、よくできましたから、ってあがりました。どうぞごらんなさってください。」といって、あたまげました。
地主じぬしは、台所だいどころかおしました。そして、百しょうってきた大根だいこんをちょいとながめました。
「なるほど、今年ことしは、大根だいこんがよくできたな。天気てんきぐあいがよかったせいだろう。」といいました。
「だんなさま、なかなか今年ことしは、むしがつきました。あめがつづきまして、ひでりがまた、つづきましたもんでございますから……。」と、百しょうはいって、こんなによくできたのは、自分じぶんがいっしょうけんめいにをかけてやったからだといいたかったのです。
「そんなに、あめが、今年ことしはつづいたかなあ。」と地主じぬしは、なつごろの天気てんきのことなどは、もうわすれていました。
「これは、たばこだいだ。」といって、地主じぬしは、いくらかぜにかみつつんで、百しょうまえげるようにあたえました。
「だんなさま、わたしは、こんなものをいただきにあがったのではありません……。」と、百しょうは、自分じぶんむねなかをすっかりいいつくしないで、かまちにあたまをすりつけていました。そして、しまいに、そのかみつつんだのをしいただいて、台所口だいどころぐちていったのであります。
しょうったあとで、地主じぬしは、あしもとの大根だいこん見下みおろしていました。
「あいつは自慢じまんしていたが、こんな大根だいこんがいくらするもんだ。まちへいってったって、れている。」と、地主じぬしはつぶやきました。
ちょうど、そこへ、まちから、かねてあいそのいい植木屋うえきやが、やまにいって、かえった土産みやげだといって、しゃくなげをってきました。
「だんなさま、つくか、つかないかしれませんが、これをあのいしどうろうのした岩蔭いわかげえておいてください。」といいました。
地主じぬしは、どんなによろこんだでしょう。
植木屋うえきやは、にわさきにて、ってきたしゃくなげをえました。そして縁側えんがわこしをかけてちゃみながら地主じぬし調子ちょうしよく、いろいろのはなしをいたしました。
「だんなさま、不思議ふしぎなこともあるもんです。それは、とうてい人間にんげんのゆけるようなところでありません。嶮岨けんそやま、またやまおくで、しかもたにこうがわです。おおきないわがありまして、そのいわあたまが、すと五しきのようにひかるのです。なんだろう? といって、案内人あんないにんもたまげていました。」と、植木屋うえきやかたりました。
「ダイヤモンドで、ないかな。」と、地主じぬしはいいました。
「ダイヤモンドというものを、まだたことがありませんが、そんなところにあるもんですか?」
「なんでも、いわなかに、はいっているといたことがある。ガラスびんのかけらじゃないだろうな。」と地主じぬしはいいました。
「だんなさま、じょうだんおっしゃってはいけません。さるだって、くまだって、ゆかれるところじゃありません。」と、植木屋うえきやこたえました。
こんなはなしをしますと、地主じぬしは、もしそれがダイヤモンドであったら、たいへんなかねになるとかんがえました。
植木屋うえきやが、かえってしまったあとでも、地主じぬしひまなものですから、そのことばかりかんがえていました。
航海こうかいするふねが、うみなかで、岩角いわかどひかるものをつけて、やっとこぎせてみると、それがダイヤモンドであったというはなしおもしますと、地主じぬしはひとつ冒険ぼうけんをしてみたくなりました。
「なに、かぶでもったになりゃ、なんでもないことだ。らない景色けしきただけでもそんにはならない。それに、今年ことし旅行りょこうもしなかったのだから……。」と、地主じぬしおもいました。
かれは、まち植木屋うえきやびました。そして、ひかるものの正体しょうたいさぐりにゆこうといいだしました。
植木屋うえきやは、そのみち嶮岨けんそなことをかんがえました。また、あきわりやすい天候てんこうのことをおもいました。
「だんなさま、およしになったら、いかがです。」
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