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台風の子(1)

时间: 2022-11-18    进入日语论坛
核心提示:台風の子小川未明龍夫たつおと源吉げんきちの二人ふたりは、仲なかのいい友ともだちでした、二人ふたりは、台風たいふうが大好だ
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台風の子

小川未明


龍夫たつお源吉げんきち二人ふたりは、なかのいいともだちでした、二人ふたりは、台風たいふう大好だいすきなのでした。
げんちゃん、また台風たいふうがくるって、ラジオでいったよ。いつくるかなあ、きょうのばんくるかもしれない。いまごろ二十キロのはやさで、うみうえいているんだね、すごいだろうな。」
かれは、あめかぜくる渺茫びょうぼうたる海原うなばら想像そうぞうして感歎かんたんこえはなちました。龍夫たつお父親ちちおやは、南洋なんよう会社かいしゃつとめていて、その病死びょうししたのです。なんでも臨終りんじゅうのさいまで、もう一故国ここくかえりたいといっていたことが、会社かいしゃともだちの便たよりでらされると、
「きっと、おとうさんのたましいは、かぜってかえってきなさるだろう。」と、龍夫たつお母親ははおやは、いいました。かれみみには、いつまでもその言葉ことばが、えずにのこっていました。それで、台風たいふうには、かならず父親ちちおやたましいが、くもかぜってくるものとしんじていました。
台風たいふうきているってね。」
「ああ、ぼくにいさんもそういっていた。」
かぜが、ほんとうにきているのかしらん。」
もあるし、くちもあるし、もあるというから、きているのさ。」
源吉げんきちが、こういうと、龍夫たつおは、よろこばしげにかがやかして、
くちもあるの?」と、ききかえしました。
くちらんけれど、があって、があるって、たしかににいさんがいっていた。」
「そんなことうそさ、あたたかい空気くうきつめたい空気くうき作用さよう台風たいふうができるんだと、学校がっこう先生せんせいがいっていたよ。」
「だって、不思議ふしぎじゃないか。」
「それは、不思議ふしぎだ。」
二人ふたり子供こどもは、このとき、いいあわしたように、そらあおいで、みだれてくもかげつめたのでした。
源吉げんきちが、台風たいふうきになったのは、このほかにわけがあります。おみや鳥居とりいのかたわらにあった、たかまつにかかっているえだや、くものがきれいにあらられて、すがすがしくなるからであり、人間にんげんのとどかないたかいところのちりや、煤煙ばいえんのよごれがみんなられて、きよらかにされるからであり、また、いつても気持きもちのわるくなるくされかかったブリキの、いぼれた看板かんばんが、一のうちに、どこへかんでしまい、そして、いつもごみばかりのかわには、滔々とうとうとして急流きゅうりゅうがうなり、なみなみとみずがあふれて、そのうえ、いろんなものが、あとからあとからながれてくるからでした。
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