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たましいは生きている(2)

时间: 2022-11-19    进入日语论坛
核心提示:その後ごも、わたしは、ひとりなぎさに立たって、ぼんやりと海うみをながめることがありました。あるとき、知しらない男おとこの
(单词翻译:双击或拖选)
 
そのも、わたしは、ひとりなぎさにって、ぼんやりとうみをながめることがありました。あるとき、らないおとこひとが、わたしのそばにって、じっとおきほうをながめていました。かおいろは、にやけてくろく、そのは、とびているようで、いくらか、こわいがしました。おてらへいくと、よくこんなかたちをした、木像もくぞうほとけさまがあるのを、わたしはおもしました。こちらが、やさしくものをいったら、おこりはしないだろうと、かんがえたので、
「おじさんは、なにをているの。」と、ききました。すると、おこるどころか、うちとけて、わたしをながら、
「あちらのしまに、まだのこっている、戦友せんゆうのことをおもっていたんだよ。」と、そのひとは、こたえました。
「まだ、かえらないの。」
つちなかねむって、永久えいきゅうかえらないのさ。」
「おじさんは、いつ復員ふくいんしたの。」
わたしは、すぐにあにのことをおもさずにいられませんでした。
「まだ、一月ひとつきばかりにしかならない。いくらくるしんでも、こうして、かえられたものは、しあわせだが、いつまでたっても、もどらない戦友せんゆうはかわいそうだ。」
これをきくと、わたしは、なさぶかひとだとおもったから、
「おじさん、ぼくのあに戦死せんししたんです。」といいました。
「やはり、そうか。」と、きゅうくらかおになって、うなずきました。いつか、ふたりは、ならびって、すなうえこしをおろし、うみほういていました。
「ぼく、いつも、ここにって、にいさんをおもうんですよ。」と、わたしが、いうと、そのひとは、あしもとへとして、やはりうなずくばかりでした。
人間にんげんんでも、霊魂れいこんは、きているのではない?」と、わたしは、ふしぎなハーモニカのから、おじさんに、こうたずねたのでした。あるいは、戦地せんちにあって、それを経験けいけんしたとも、かぎらないとおもったからです。おじさんは、しばらく、なにかかんがえているようなようすだったが、やがて、かおげると、
「それについて、ふしぎなことがある。」といいました。
「ふしぎなことって、どんなこと。」
「ゆうれいとでも、いうんだろうな。」
「えっ。」と、わたしは、びっくりしました。
このとき、つめたいかぜが、うみうえから、さっとりくかって、はしったようにかんじました。
おじさんは、くちひらきました。
前線ぜんせんへ、伝令でんれいにいった兵士へいしが、かえりのやまなかみちまよってしまった。こまっていると、ふいにくつおとがしたので、まさしく、てき出会であったと、がまえすると、おもいがけない、親友しんゆうだったので、二びっくりした。あまりおそいので、こんなことではないかとむかえにきたよ。さあ、くらくならぬうち、はやくいこうと、戦友せんゆうは、さきって、よくこんなみちっているなとおもうようなところをあるいた。だが、かれはこのあいだの戦争せんそうんだのではなかったかとがついたので、やすんだらこうとおもっているうち、その姿すがた見失みうしなってしまった。それと同時どうじに、ふもとのほうで、軍馬ぐんばのいななきをきいたというのだ。」と、おじさんは、はなしました。
霊魂れいこんが、親友しんゆうすくったのですね。」と、わたしは、そのはなし感動かんどうしたのでした。そして、わたしは、あにく、ハーモニカのが、このごろ、たびたびきこえると、いいますと、
「きっと、きみのにいさんは、いえのことをおもっていられるのだろう。」と、おじさんは、こたえました。
「そうしたら、どうすればいいの。」と、わたしは、ききました。
「せいぜい、にいさんのきなことをしてあげて、霊魂れいこんをなぐさめるんだね。」と、おじさんは、いいました。
そのことを、わたしにおしえてくれた、おじさんは、どうしたのか、そのふたたびることができませんでした。
わたしのあには、なにより平和へいわあいしました。だから、音楽おんがくがすきでした。わたしは、ちちにねがって、あにのもっていたのと、おなじハーモニカをってもらいました。そして、それをくときには、かならず、あに気持きもちになろうとしました。
わたしのあには、自然しぜんあいしたし、また、だれにたいしてもしんせつで、なにをするにも、やさしみのこころをもっていました。
わたしは、海岸かいがんへいくと、まず、あにのしたごとく、すなうえこしをおろしました。そして、ハーモニカをきました。このとき、そらくもちよせるなみ、しきりとかおへあたるかぜ、ともどもに、もうわせたごとくたたずんで、
「ききおぼえのある、なつかしいだ。」と、いっているようでした。
わたしは、ますます、あにあにこころをもってきました。すると、かれらは、
「あれをくのは、おとうとか、あにそっくりじゃないか。また、この浜辺はまべへも、むかしのような平和へいわが、やってきたな。」と、ささやきっているのです。
わたしの真心まごころで、あにのたましいも、はじめて、なぐさめられたものか、ふしぎなハーモニカのも、それ以来いらいしなくなったのでありました。
 
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