童話に対する所見
小川未明
一
今日世間では
だから文化的ということは、今日どういう階級によって口にせらるるかといえば、それは勿論ブルジョアの知識階級に於いてである。そして
二
又彼等に解せらるる芸術というものがそうである。所謂詩的な表現だなどいっているが、その詩的とはどんなものであるか、彼等に解せられた詩的とは恐らく
三
人間の生活はいつしか物質的経済組織によって硬化されてしまった。そして人々は今、形式の
四
しかし私は第四階級芸術を待たなくして、子供の冒険性を信ずる。子供の純真を信ずる。ほんとうに子供を理解したら何もかも一切が子供にあるということを知らなければならぬ。ブルジョアに恐怖される共産主義の哲学も、純一なる美の世界も、無差別の社会も皆子供には存する。
大人が子供より