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二番めの娘(2)
时间:
2022-12-03
进入日语论坛
核心提示:いつしか、ほうせんかはすっかり散ちってしまいました。そして、園そのには、とうがらしが赤あかく色いろづきました。山やまには
(单词翻译:双击或拖选)
いつしか、ほうせんかはすっかり
散
ち
ってしまいました。そして、
園
その
には、とうがらしが
赤
あか
く
色
いろ
づきました。
山
やま
には、くりが
紫色
むらさきいろ
に
熟
じゅく
すときがきました。
秋
あき
になったのであります。
秋
あき
になると、
母親
ははおや
はいっそう、
遠
とお
くへやった
娘
むすめ
のことを
思
おも
い
出
だ
しました。それでなくてさえ、
虫
むし
の
声
こえ
が、
戸
と
の
外
そと
の
草
くさ
むらのうちにすだくのでした。
ある
夜
よ
のこと、
母親
ははおや
は、二
番
ばん
めの
娘
むすめ
が
帰
かえ
ってきた
夢
ゆめ
を
見
み
ました。
「おまえは、どうして
帰
かえ
ってきたか?」と、
母親
ははおや
は
喜
よろこ
びと、
驚
おどろ
きとで
戸口
とぐち
へ
飛
と
び
出
だ
しました。
「お
母
かあ
さんは、いったら、
我慢
がまん
をして
家
うち
へ
帰
かえ
りたいなどと
思
おも
ってはいけないと、おっしゃったけれど、
私
わたし
、どうしても
帰
かえ
りたくて、
帰
かえ
りたくてならないので、
帰
かえ
ってきました……。」と、
娘
むすめ
は
泣
な
きながら
訴
うった
えたのです。
「あ、よく
帰
かえ
ってきてくれた!
私
わたし
は、おまえがいった
日
ひ
から、一
日
にち
でも
胸
むね
の
休
やす
まった
日
ひ
とてなかった。いくら
貧乏
びんぼう
しても、
親子
おやこ
はいっしょに
暮
く
らします。もう、けっして、おまえをどこにもやりはしない。」と、
母親
ははおや
はいいました。
ふと、
目
め
がさめると、
娘
むすめ
はそこにいませんでした。そして、いってから、いまだに
便
たよ
りとてなかったのです。
「
夢
ゆめ
であったか……。それにしても、
娘
むすめ
は、いまごろどうしたであろう。」と、
母親
ははおや
は、
思
おも
っていました。
すると、このとき、かすかに、すすり
泣
な
きするような
音
おと
が、
戸
と
の
外
そと
できこえたのであります。
母親
ははおや
は、
驚
おどろ
いて
床
とこ
の
中
なか
から
起
お
き
上
あ
がりました。ほんとうに
娘
むすめ
が
帰
かえ
ってきて、もしや
家
うち
にはいれないで、
庭
にわ
さきにでも
立
た
って
泣
な
いているのでなかろうかと
思
おも
ったのでした。
彼女
かのじょ
は
雨戸
あまど
を
開
あ
けて、わざわざ
外
そと
へ
出
で
てあたりをながめてみました。
外
そと
は、いい
月夜
つきよ
でありました。
昼間
ひるま
のように
明
あか
るく、
木立
こだち
の
姿
すがた
はうす
青
あお
い
月
つき
の
光
ひかり
に
照
て
らし
出
だ
されていました。しかし、どこにも
娘
むすめ
の
姿
すがた
は
見
み
えませんでした。そして、はるかかなたから、
波
なみ
の
音
おと
がすすり
泣
な
くようにきこえてきました。
さすがに、
秋
あき
になると、
宵々
よいよい
に、
荒海
あらうみ
に
打
う
ち
寄
よ
せる
波
なみ
の
音
おと
が、いくつかの
村々
むらむら
を
過
す
ぎ、
野
の
を
越
こ
えて、
遠
とお
くまできこえてくるのであります。
娘
むすめ
の
泣
な
き
声
ごえ
と
思
おも
ったのは、その
波
なみ
の
音
おと
であったのでした。
姉
あね
や、
弟
おとうと
も、二
番
ばん
めの
娘
むすめ
のことをいいくらしていました。
冬
ふゆ
がきました。こがらしは、
空
そら
に
叫
さけ
び、
雪
ゆき
はひらひらと
舞
ま
って
飛
と
び、
山
やま
も、
林
はやし
も、やがて
真
ま
っ
白
しろ
となって、
雪
ゆき
の
下
した
にうずもれてしまいました。この
時分
じぶん
になると、もはや、
汽船
きせん
の
笛
ふえ
の
音
ね
もきくことができませんでした。
荒浪
あらなみ
は、ますます
荒
あ
れて、
暗
くら
い
空
そら
の
下
した
に、
海
うみ
は、
白
しろ
くあわだっていたからであります。
山
やま
にすんでいる
獣
けだもの
や、
鳥
とり
は、
餌
え
を
探
さが
すのに
困
こま
ったのであります。ある
日
ひ
のこと、
姉
あね
や
弟
おとうと
が、
窓
まど
から
外
そと
を
見
み
ていますと、四、五
羽
わ
のからすが、
鳴
な
きながら、
野原
のはら
の
方
ほう
から
飛
と
んできて、
圃
たんぼ
の
中
なか
の
木立
こだち
に
止
と
まり、
悲
かな
しそうに
鳴
な
いていました。それは、
親子
おやこ
のからすのように
見
み
えました。やはり
雪
ゆき
のために、
餌
え
を
探
さが
しに
里
さと
の
方
ほう
へやってきたのだと
思
おも
われます。
子供
こども
たちは、これを
見
み
ると、なんとなくかわいそうに
思
おも
いました。それで、あわもちがあったからそれを
小
ちい
さくして、
圃
たんぼ
の
方
ほう
へ、
窓
まど
から
投
な
げてやりました。すると、からすは、
目
め
ざとくそれを
見
み
つけて、一
羽
わ
のからすが
降
お
りて、
雪
ゆき
の
中
なか
から、もちぎれを
拾
ひろ
いあげると、また
立
た
ち
上
あ
がって
木
き
の
枝
えだ
に
止
と
まりました。
子供
こども
らはどうするだろうかと
見
み
ていますと、そのからすは、
自分
じぶん
で、それを
食
た
べずに、
下
した
の
枝
えだ
に
止
と
まっていた、からすのくちばしにそれをいれてやったのです。
餌
え
を
拾
ひろ
ったからすは、
母親
ははおや
であって、それを
食
た
べさしてもらったのはその
子供
こども
であると
思
おも
われました。
「まあ、なんとやさしいもんでないか?」と、
子供
こども
たちといっしょにそれを
見
み
ていた、
母親
ははおや
がいって
感心
かんしん
しました。これを
見
み
るにつけて
母親
ははおや
は、二
番
ばん
めの
娘
むすめ
の
身
み
の
上
うえ
を
案
あん
じました。
「あのしんせつな、
人
ひと
のよさそうな
小父
おじ
さんのことだから、
娘
むすめ
は、しあわせに
暮
く
らしているにちがいなかろうが、どんなにか、あの
遠方
えんぽう
に
離
はな
れているのでさびしかろう……。」
と
思
おも
い、
涙
なみだ
ぐまずにはいられませんでした。
「お
姉
ねえ
ちゃんは、どうしたろうね?」と、
弟
おとうと
は、
思
おも
い
出
だ
して
聞
き
くと、一
家
か
の
内
うち
は、
急
きゅう
にしんみりとするのでした。
そのあくる
年
とし
の
春
はる
のことでした。
娘
むすめ
のところから、はじめてのたよりがありました。それには、たいへんいいところで、
気候
きこう
も
暖
あたた
かであれば、
町
まち
も
美
うつく
しく、にぎやかで、
自分
じぶん
は、しあわせに
暮
く
らしているから
安心
あんしん
してもらいたいと
書
か
いてありました。
このとき、
母親
ははおや
をはじめ、
姉弟
きょうだい
たちは、どんなに
喜
よろこ
んだでありましょう。そして、
姉
あね
や、
弟
おとうと
は、
自分
じぶん
たちも二
番
ばん
めの
娘
むすめ
のいっている
国
くに
へいってみたいと
憧
あこが
れました。
けれど、この
時分
じぶん
には、まだこの
地方
ちほう
には
汽車
きしゃ
というものがありませんでした。どこへゆくにも、
荒海
あらうみ
を
汽船
きせん
でゆかなければならなかったのです。
西
にし
の
国
くに
へ、もらわれていった、二
番
ばん
めの
娘
むすめ
は、
大事
だいじ
にされていたので
幸福
こうふく
でした。
小父
おじ
さんの
家
うち
は、
町
まち
での
薬屋
くすりや
でありました。
小父
おじ
さんは、
薬
くすり
を
売
う
って
諸国
しょこく
を
歩
ある
いていましたが、
留守
るす
には、おばあさんが
薬屋
くすりや
の
店
みせ
にすわっていたのであります。
二
番
ばん
めの
娘
むすめ
は、こうして
幸福
こうふく
であるにつけて、
故郷
ふるさと
の
姉
あね
や
弟
おとうと
や、また
恋
こい
しい
母親
ははおや
を
思
おも
い
出
だ
さずにはいられませんでした。
「いまごろは、お
母
かあ
さんはどうしておいでなさるだろう……。」と
思
おも
いました。
「
種子
たね
を
持
も
ってきてまいたほうせんかが
咲
さ
いたが、ふるさとの
前
まえ
の
圃
たんぼ
にもたくさん
咲
さ
くことであろう……。そして、いまごろになると、うす
紅
あか
く
色
いろ
どられた
沖
おき
の
方
ほう
の
空
そら
を
望
のぞ
んで、なんとなく、
遠
とお
いところに
憧
あこが
れたものだが、やはりあちらの
空
そら
は、
今宵
こよい
も
美
うつく
しく
色
いろ
づくことであろう……。」などと
思
おも
いました。
冬
ふゆ
になっても、
娘
むすめ
のきた
地方
ちほう
は、
雪
ゆき
も
降
ふ
りませんでした。いつもあたたかないい
天気
てんき
がつづいて、
北国
ほっこく
の
春
はる
の
時節
じせつ
のような
景色
けしき
でした。
彼女
かのじょ
は、
吹雪
ふぶき
のうちにうずもれている、
故郷
こきょう
のさびしい
村
むら
を
目
め
に
描
えが
いて、そこに
住
す
む
哀
あわ
れな
母
はは
や、
姉弟
きょうだい
を
思
おも
ったのであります。
このせつない
心
こころ
をする
思
おも
いにくらべて、
故郷
ふるさと
で、みんなといっしょに
暮
く
らすことができたらば、どんなに
幸福
こうふく
なことであろうと
思
おも
われました。
どうかして、
彼女
かのじょ
は、もう一
度
ど
ふるさとに
帰
かえ
ってお
母
かあ
さんや、
姉
あね
や、
弟
おとうと
に、あってきたいと
思
おも
いました。けれど、このころから、
小父
おじ
さんは、
体
からだ
がだんだん
弱
よわ
ってきて、
彼女
かのじょ
は、
年寄
としよ
りたちを
独
ひと
り
残
のこ
して、
遠
とお
い
旅
たび
にも
出
で
ることはできなかったのです。
小父
おじ
さんが、ああして、
薬
くすり
の
箱
はこ
を
負
おぶ
って、
諸国
しょこく
を
歩
ある
いていた
時分
じぶん
に、もっと
南
みなみ
の
船着
ふなつ
き
場
ば
で、
外国
がいこく
から
渡
わた
ってきた、
草
くさ
の
種子
たね
を
手
て
にいれました。それは、
黄色
きいろ
な
大
おお
きな
輪
りん
の
花
はな
を
開
ひら
き、
太陽
たいよう
の
移
うつ
る
方
ほう
に
向
む
いて、
頭
あたま
を
動
うご
かす、
不思議
ふしぎ
な
花
はな
でありました。
当時
とうじ
、ひまわりの
花
はな
は、この
地方
ちほう
にすら
珍
めずら
しいものに
思
おも
われました。また、この
花
はな
の
種子
たね
から、
薬
くすり
が
造
つく
られるというので、
小父
おじ
さんは、それを
持
も
って
帰
かえ
って、
自分
じぶん
の
家
うち
のまわりにまいたのであります。
このひまわりの
花
はな
が、そのときちょうど
赤
あか
ん
坊
ぼう
の
頭
あたま
ほどもありそうな
大
おお
きな
輪
りん
に
開
ひら
いていました。
娘
むすめ
は、この
黄金色
こがねいろ
をした
花
はな
をじっと
見
み
ていますうちに、いつしか、その
花
はな
が
自分
じぶん
と
同
おな
じような
思
おも
いで
生
い
きていることを
感
かん
じました。
花
はな
は、
自分
じぶん
が、
母親
ははおや
を
恋
こ
い
慕
した
うように、つねに
太陽
たいよう
のありかを
慕
した
っていたからです。
彼女
かのじょ
は、いつからともなく、ひまわりの
花
はな
が
好
す
きになりました。
一
日
にち
、
彼女
かのじょ
は、
店
みせ
さきにすわって、
街
まち
の
上
うえ
を
飛
と
んでいるつばめの
影
かげ
をぼんやりと
見守
みまも
っていました。そのとき、四十
前後
ぜんご
の
男
おとこ
の
巡礼
じゅんれい
がはいってきて、すこし
休
やす
ませてくださいといいました。
巡礼
じゅんれい
は、
体
からだ
のぐあいがわるく、それに、
疲
つか
れていました。
彼女
かのじょ
は、さっそく、
薬
くすり
を
与
あた
えました。しばらくすると、
巡礼
じゅんれい
は、
元気
げんき
を
恢復
かいふく
しました。そして、
厚
あつ
くお
礼
れい
を
述
の
べて、これから
諸国
しょこく
の
神社仏閣
じんじゃぶっかく
を
参拝
さんぱい
するとき、あなたの
身
み
の
上
うえ
をもお
祈
いの
りしますといいました。
娘
むすめ
は、この
巡礼
じゅんれい
が、
遠
とお
い
諸国
しょこく
をもまわるのだとききましたから、もしや
自分
じぶん
の
故郷
ふるさと
へもゆくことはないかと
問
と
いました。
「
来年
らいねん
の
春
はる
のころには、あなたの
故郷
ふるさと
の
方
ほう
へもまいります。」と
答
こた
えました。
彼女
かのじょ
は、
考
かんが
えていましたが、ひまわりの
種子
たね
を
紙
かみ
に
包
つつ
んで、すこしばかり
持
も
ってきました。
「もし、
私
わたし
の
家
うち
の
前
まえ
をお
通
とお
りなさることもありましたら、この
種子
たね
を
私
わたし
だと
思
おも
ってくださいといって、
母
はは
に
渡
わた
し、
姉
あね
や、
弟
おとうと
に、よろしくいってください。」といって
頼
たの
みました。
巡礼
じゅんれい
の
男
おとこ
は、それを
受
う
け
取
と
って、
「たしかにお
渡
わた
しいたします。ありがとうございました。」と、
礼
れい
をいって
立
た
ち
去
さ
りました。
「お
達者
たっしゃ
に。」といって、
娘
むすめ
は、
巡礼
じゅんれい
を
見送
みおく
りました。
巡礼
じゅんれい
は、
遠
とお
ざかってゆきました。
彼女
かのじょ
は、あの
青
あお
い、
青
あお
い
海
うみ
を、
汽船
きせん
で
幾日
いくにち
も
揺
ゆ
られてきた
時分
じぶん
のことを
思
おも
い
出
だ
しました。いまの
巡礼
じゅんれい
は、
山
やま
を
越
こ
え、
河
かわ
を
渡
わた
り、
野原
のはら
を
過
す
ぎ、
村々
むらむら
をいって、
自分
じぶん
の
故郷
ふるさと
に
着
つ
くには、いつのころであろうと
考
かんが
えられたのです。おそらく、
木々
きぎ
の
葉
は
がちってしまい、さびしい、
寒
さむ
い
冬
ふゆ
をどこかですごして、
来年
らいねん
のことであろうと
思
おも
われました。
今日
きょう
も、
夕日
ゆうひ
は、
町
まち
の
白壁
しらかべ
を
染
そ
めて、
静
しず
かに
暮
く
れてゆきました。
小父
おじ
さんが
亡
な
くなられて、その
後
のち
は、おばあさんと
娘
むすめ
とで
暮
く
らしましたが、
娘
むすめ
はだんだんと
大人
おとな
となってゆきました。しかし、その
時分
じぶん
となっても、
彼女
かのじょ
は
故郷
ふるさと
に
帰
かえ
ることはできなかったのです。
娘
むすめ
と
約束
やくそく
をした
巡礼
じゅんれい
は、たしかに、その
約束
やくそく
をはたしました。ある
日
ひ
のこと、
巡礼
じゅんれい
は、
娘
むすめ
の
生
う
まれた
家
うち
の
前
まえ
を
過
す
ぎて、そこに
立
た
ち
寄
よ
って、
娘
むすめ
の
渡
わた
した、
紙
かみ
に
包
つつ
んだひまわりの
種子
たね
を
渡
わた
し、「お
娘
むすめ
さんは、
達者
たっしゃ
でいられます。これを
私
わたし
と
思
おも
ってくださいといって
渡
わた
されました。」といいました。
一
家
か
のものは、どんなにか、この
巡礼
じゅんれい
をなつかしがってながめたでありましょう。そして、
娘
むすめ
にあったときのようすや、その
家
いえ
や、また
町
まち
の
有
あ
り
様
さま
などをもたずねたでありましょう……。
母親
ははおや
は、
年寄
としよ
りになり、
姉
あね
や、
弟
おとうと
も、
大
おお
きくなり、
姉
あね
は、
近
ちか
くの
村
むら
に
嫁
よめ
にゆきました。そして、
娘
むすめ
の
家
いえ
の
前
まえ
には、
毎年
まいねん
、
夏
なつ
になると
脊
せ
の
高
たか
い、ひまわりの
花
はな
がみごとに
咲
さ
きました。
西
にし
の
国
くに
から、はじめてきたこの
花
はな
は、そのころこのあたりでは
珍
めずら
しいものでした。ひまわりの
花
はな
が、
日
ひ
に
向
む
かって、
頭
あたま
をうつすのを
見
み
ると、二
番
ばん
めの
娘
むすめ
が
故郷
ふるさと
を
恋
こい
しがっているのだと、一
家
か
のものは
悲
かな
しく
思
おも
いました。
年
とし
とった
母親
ははおや
は、ほうせんかの
種子
たね
の
飛
と
ぶのを
見
み
ては、二
番
ばん
めの
娘
むすめ
を
思
おも
い
出
だ
して、いつも
涙
なみだ
ぐんだということであります。
――一九二五・八作――
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