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北海の波にさらわれた蛾(3)_小川未明童話集_日语阅读_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示:あるときは、百姓しょうらが焚たいている野火のびが、真紅まっかな花はなの風かぜになびいている姿すがたとなって見みえたりして
(单词翻译:双击或拖选)
 
図画ずが時間じかんに、小野おのがふりいて、いいました。
「こんなりんごは、めったにないね。どこでってきたんだい。」と、となり山田やまだが、ききました。
田舎いなかのおばあさんから、おくってきたんだ。」と、まさちゃんが、こたえました。
「たくさんおくってきたんかい。」
「ああ、たくさんおくってきたんだ。」
「いいなあ。」
「だけど、みんなべてしまって、もうこれきりないんだ。」
「なあんだ、それじゃつまんないな。」
このときです、先生せんせいが、おおきなこえで、
よこたり、はなしをしたりせんで、上手じょうずにおかきなさい。」と、おっしゃいました。
まさちゃんは、うまくけて、いいおてんをもらったら、おばあさんのところへおくってあげて、せようとおもったので、一所懸命しょけんめいきはじめました。
つぎは、算術さんじゅつ時間じかんでした。ベルがって、みんな教室きょうしつにはいったときです。
ぼくに、りんごをおくれよ。」と、山田やまだがいいました。
ぼくが、もらう約束やくそくをしたんだい。」と、小野おのがいいました。
まさちゃんは、二人ふたりが、ほしいというのでこまってしまいました。
「ジャンケンおやりよ。」
まさちゃんのつくえうえにのっていたりんごを、ふいに小野おのってしまいました。
「ずるいやい。」と、さけんで、山田やまだが、それをうばかえそうとしました。ちょうど、昨日きのうまさちゃんが、あにいさむちゃんにかってやったとおなじことです。
そのとき、もう先生せんせいは、教室きょうしつにおいでになって、じっと二人ふたりが、りんごをうばっているのをていられました。二人ふたりは、大騒おおさわぎをしていました。らなかったまさちゃんが、がつくと、
先生せんせいが。」と、注意ちゅういしました。
二人ふたりは、びっくりして、あらそうのをやめたけれど、おそかったのです。
小野おのも、山田やまだも、こっちへくるんだ。」と、先生せんせいは、おそろしいかおつきをなさいました。
「さあ、おんなくみへいって勉強べんきょうせい。」
みんなは、おんなくみへやられるのが、ばつなかでもいちばんくるしかったのです。山田やまだかおをして、先生せんせいきずられるようにして、れてゆかれたけれど、小野おのはしらにつかまって、うごきませんでした。先生せんせいは、小野おののわきのしたをこそぐりました。
それでも、我慢がまんをして、はなれまいとはしらにしがみついたのです。おせきから、くすくすわらこえこりました。
「よし、そこに、いつまでもそうやっておれ。」と、山田やまだ一人ひとりをつれてゆかれました。
小野おの、このあいだに、げっちまえよ。」
げたら、あとで、よけいにしかられるぞ。」
まさちゃんは、このあかいりんごから、たいへんなことがこったものだと、りんごをひろって、かばんのなかれてしまいました。
小野おのが、教壇きょうだんうえたされて、あたまをかいていると、おんな尾沢先生おざわせんせいが、山田やまだをつれて教室きょうしつにはいってこられました。
「これからをつけて、さわがないといいますから、どうぞ、こんどだけは、ゆるしてあげてくださいまし。」と、あやまってくださいました。
「もう、きっとをつけるね。じや、尾沢先生おざわせんせいに、おれいもうしなさい。」と、先生せんせいは、山田やまだにいわれました。
山田やまだは、かおあかくして、あたまげました。そして、山田やまだだけは、おせきにはいって、みんなといっしょに勉強べんきょうすることをゆるされたけれど、小野おのは、先生せんせいのいうことをきかなかったばかりで、時間じかんわるまで、そこにたされていました。
いさむちゃん、りんごをあげようか。」
学校がっこうからかえると、まさちゃんはいいました。
「りんご?」といって、いさむちゃんは、かけてきました。
「きのうのりんごじゃないか。まさちゃんは、どうしてべないのだい。」
「どうしても、ぼくたべたくないのだ。」
「おかしいな。」
かあさんも、あかいりんごをごらんになって、
「ほんとうに、くいしんぼうのまさちゃんが、どうしてたべなかったの。」と、おっしゃいました。
まさちゃんは、このりんごを学校がっこう小野おの山田やまだうばって、先生せんせいたされたことをおもしました。それをかんがえると、うちかえって、かばんからとりしたけれど、どうしてもべるこらなかったのです。田舎いなかのおばあさんからおくっていただいただけに、てることもできなかったのでした。
そのおはなしをすると、いさむちゃんは、
ぼく、そんなりんごをたべるのはいやだ。」といって、あちらへいってしまいました。
「まあ、よくけんかのこるりんごですね。このことを田舎いなかのおばあさんにいってあげようかしらん。おばあさんは、きっと兄弟きょうだいげんかをするようなら、もうこれからおくらないとおっしゃるでしょう。」
「もう、けんかをしないから、そんなことをいってやっちゃ、いやだよ。」
かあさんは、わらって、おうなずきになりました。
このとき、ドン、ドン、と、そとほう太鼓たいこおとがしました。
まさちゃん、りんごをさるにおやりよ。」と、いさむちゃんが、ぐちから、のぞいて、いいました。まさちゃんは、あかいりんごをって、かけしてゆきました。まさちゃんは、あかいりんごをさるにやりました。
さるは、りんごをもらって、よろこんで、さるまわしの背中せなかにおぶさりながら、コスモスのく、垣根かきねって、あちらのほうへとえなくなったのであります。
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