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町の天使(1)

时间: 2022-12-24    进入日语论坛
核心提示:町の天使小川未明Sえすという少年しょうねんがありました。毎日まいにち、学校がっこうへゆくときも、帰かえるときも、町まちの
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町の天使

小川未明


えすという少年しょうねんがありました。
毎日まいにち学校がっこうへゆくときも、かえるときも、まちかどにあった、菓子屋かしやまえとおりました。そのみせはきれいにかざってあって、ガラスがはまっていて、そと看板かんばんうえには、つばさひろげたかわいらしい天使てんしがとまって、そのしたとお人々ひとびとをながめていたのであります。
少年しょうねんは、すこし、時間じかんのおくれたときは、いそいで、夢中むちゅうでそのまえぎてしまいましたけれど、そうでないときは、よくぼんやりとまって、毎日まいにちのように天使てんしを、かずにあおいでいることがありました。
なぜなら、その天使てんしは、あちらの雲切くもぎれのした、きたほうあおそらからんできて、ここにとまったようにもおもわれたからでした。少年しょうねんには、それほど、あちらのとおそらが、なんとなくなつかしかったのであります。そして、その天使てんしあおそらとをむすびつけてかんがえると、うつくしい、また愉快ゆかいないろいろな空想くうそうが、ひとりでに、わいてきたからであります。
「おまえは、いつ、あのあちらのそらかえってゆくの?」と、ちいさいこえでいったりなどしました。しかし天使てんしは、ただこれをいてもわらっているばかりでした。
あめも、天使てんしは、そこにぬれながらじっとしていました。また、きりったも……。けれど、少年しょうねんは、よるになって、大空おおぞらがぬぐわれたように星晴ほしばれがして、さむかぜ真夜中まよなかには、きっと、天使てんし自由じゆうに、あのつばさをふるって、大空おおぞらびまわるのであろうとおもいました。けれど、ひとは、だれもそれをらない。そして、天使てんしは、いつもじっとしているとばかりおもっているのだとかんがえました。
ぼくは、おまえが、よるになって、だれも人間にんげんていないときに、そらびまわるのをっているのだよ。」と、少年しょうねんは、天使てんしかっていいました。
こういっても、天使てんしは、ただだまってわらっているばかりでした。
S少年エスしょうねんは、病気びょうきにかかりました。
もう幾日いくにち学校がっこうやすんで、一間ひとまにねていました。そのうちに、あきもふけて、いつしかふゆになりかかり、がらしがいえのまわりに、きすさんだのであります。いろいろの木立こだちが、ざわざわといってささやきました。そして、はげしいかぜおそうたびに、それらのたちは、ちょうどのように、大空おおぞらがり、あてもなく野原のはらほうへとけてゆくのでした。
少年しょうねんは、まどから、いつしか、さびれきったにわなかをながめていました。かしのしたに、たくさんどんぐりがちていました。また、あちらの垣根かきねのところには、からすうりが、いくつかあかくなってぶらさがっていました。ここからると、たいそうさむく、さびしいはやしなかではあったけれど、そこにはいいれぬおもしろいことや、たのしいことがあるとみえて、いろいろの小鳥ことりがやってきて、えだからえだびうつっては、いているのがえるのであります。
「もう、じきにゆきがくるだろう……。」と、少年しょうねんおもっていました。
けて、さむかぜたってはいけませんよ。」と、おかあさんにいわれて、少年しょうねんは、またとこなかにはいりました。そして、あいかわらず、いえそとにすさぶがらしのおといていました。
はやく、病気びょうきがよくなって、学校がっこうへいきたいものだな。」と、少年しょうねんおもいました。けれど、それまでには、なかなかよくならなかったのであります。
ともだちは、遠慮えんりょをしてあそびにきませんでした。少年しょうねんは、もうながいこと、おともだちのかおません。そんなことをおもって、さびしがっていました。
ちょうど、そのとき、あらしのなかをだれか自分じぶんびにきたものがあります。
エスちゃん、あそぼう!」と、そと自分じぶんんでいました。
はじめは、のせいではないかとかんがえました。それで、しばらく、とこなかで、じっとかんがえていました。あらしのおとは、いよいよはげしくなって、はやしおとや、かぜにまかれておとなどがしていたのであります。また、このあらしのあいだにまじって、
エスちゃん、あそぼう!」と、自分じぶんんでいる子供こどもこえがきこえてきました。
「だれだろう?」と、少年しょうねんおもって、とこからまど障子しょうじひらきました。すると、あちらに、あか帽子ぼうしをかぶった二人ふたりと、くろ帽子ぼうしをかぶった一人ひとり子供こどもが、三にんでおもしろそうにあそんでいて、自分じぶん手招てまねぎしたのであります。
「だれだい?」と、少年しょうねんびかけて、その三にんをじっと見守みまもりました。すると、一人ひとりとしちゃんで、一人ひとりしょうちゃんでありました。くろ帽子ぼうしをかぶっている子供こどもは、まったくらない子供こどものようにおもわれました。
としちゃんに、しょうちゃん、きみは、どうしたんだい、ななかったのかい。不思議ふしぎだなあ……。」と、少年しょうねんは、んだはずの二人ふたりともだちが、このあらしのに、どこからかかえってきて、自分じぶんさそいにきたのを、すくなからず不思議ふしぎかんがえたのでした。
にんは、しきりに、自分じぶん手招てまねぎしていました。少年しょうねんは、おかあさんにいてみて、すぐにもそとていこうとおもいました。かれは、ふらふらとへやのなかあるいて、ちゃほうへいって、
としちゃんとしょうちゃんがむかえにきたから、いってもいい?」と、おかあさんにたずねました。すると、おかあさんは、はしってきて、
「なんで、おまえはねていないのです。」といって、しかられました。
少年しょうねんは、としちゃんに、しょうちゃんがそとんでいるから、二人ふたりうちへいれてくれとたのみました。
ぼく、さびしくて、しかたがないんだから……。」といいますと、おかあさんは、あおかおをして、おおきくみはって、少年しょうねんをにらみました。
「なんで、としちゃんや、しょうちゃんが、おまえをびにくることがあるものか。おまえは、ゆめたんだよ。」といいました。
 
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