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三つのかぎ(1)

时间: 2022-12-25    进入日语论坛
核心提示:三つのかぎ小川未明一ある青年せいねんは、毎日まいにちのように、空そらを高たかく、金色きんいろの鳥とりが飛とんでゆくのをな
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三つのかぎ

小川未明


ある青年せいねんは、毎日まいにちのように、そらたかく、金色きんいろとりんでゆくのをながめました。かれは、それを普通ふつうとりとはおもいませんでした。なにか自分じぶんにとって、いいことのある使つかいであろうというようにおもったので、そのとり行方ゆくえさがそうとしました。どこかにがあるにちがいない。そのさがさなければかえってこないと決心けっしんをして、うちかけたのであります。なんでも、金色きんいろとりは、晩方ばんがたになるとあちらのやまほうかえってゆきましたから、青年せいねんは、そのやまほうへとゆき、たかやまのぼってまいりました。すると、やまから一人ひとり猟師りょうし鉄砲てっぽうをかついで、むねにぴかぴかひかるものをげてりてきました。
青年せいねんは、不思議ふしぎなものをたものだ。なぜなら、そのぴかぴかするひかりは、大空おおぞらをはるかにんでいったとりひかりに、よくているとおもったからでした。
「このやまのぼみちは、まだよほどけわしいのですか……。そして、とりのすんでいるようなもりがありますか?」といって、青年せいねん猟師りょうしにききました。猟師りょうしは、をみはって、
「あなたは、なんでこのやまのぼりなさるのか……。」と、かえしましたから、青年せいねんは、金色きんいろとりをたずねてきたものだとこたえました。
「そのとりというのは、わたしが、今日きょうやまとしたこのわしだ。わしのあしに、ぴかぴかひかるかぎがついていたのだ。そのかぎというのは、わたしむねにぶらさがっているこのかぎじゃ。」といいました。
なるほど、猟師りょうしおおきな灰色はいいろをしたわしをっていました。青年せいねんは、毎日まいにちのように大空おおぞらたかんでいったとりは、このわしであったかとおもいました。それよりは猟師りょうしむねにぶらさがっているかぎがたまらなくしくなりました。このかぎがあったら、なにかおおきな幸運こううん自分じぶんのためにひらかれはしないかというかんじがしたからであります。
わたしに、そのぴかぴかひかるかぎをゆずってくださいませんか。」と、青年せいねんは、猟師りょうしたのみました。
猟師りょうしかんがえていましたが、
「おまえさんは、このひかったものがしいばかりに、このやまのぼってきなされたのだから、このかぎをあげましょう。わたしは、このわしがほしいばかりにったのだから、もともとこんなものは必要ひつようがない……。」といって、むねにぶらさげていたかぎをって、青年せいねんにくれました。
青年せいねんは、どれほど、うれしかったかしれません。猟師りょうしわかれて、やまくだりました。
「このかぎは、どんなはこけるためであったろう?」と、かれは、そのかぎをよくよくにとってみますと、2という番号ばんごうがついていました。
しかし、だれが、いつあらわしのあしに、このかぎをむすびつけたものかわかりません。また、なんのためにそうしたものかということも、られるはずはなかったのです。
ただあらわしは、そのあし暴風雨ぼうふううなかけました。また、ゆきなかあるきました。またはやしや、砂漠さばくなかたにや、やまのいただきや、ところかまわずに、りたりんだりしたのでありましょう。またそのあしで、勇敢ゆうかんてきたたかったこともあったでしょう。それがために、かぎは、金色きんいろにぴかぴかとみがかれてひかっていました。青年せいねんは、2はどうした番号ばんごうであるか、かぎにきざまれている文字もじてもわかりませんでした。けれど、そのときから、このかぎでひらかれるものを、このなかいだしたときに、ほんとうに自分じぶん幸福こうふくでありるのだとかんがえました。それからかれながたびはつづいたのです。

 

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