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やんま_小川未明童話集_日语阅读_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示:やんま小川未明正しょうちゃんは、やんまを捕とりました。そして、やんまの羽はねについた、もちを取とっていると、ぶるっとやん
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やんま

小川未明


しょうちゃんは、やんまをりました。そして、やんまのはねについた、もちをっていると、ぶるっとやんまは、はねらして、からげてしまいました。
「あっ。」と、いって、そのげたほう見送みおくると、よくべないとみえて、あるいてゆくおばあさんの背中せなかにとまったのです。
しょうちゃんは、むねがどきどきしました。どうしたら、うまくらえることができるだろうとおもったからです。
しょうちゃんは、づかれないように、おばあさんのあといかけました。いくらおばあさんでも、うごいていると、られぬように、うまくらえられるものでありません。しょうちゃんは、ためいきをつきました。しかし、勇気ゆうきして、おばあさんのうしろへいって、ばしました。
したいて、おばあさんは、なにかかんがえながらあるいていると、だれか、たもとにさわったようながしたので、うしろをくと、どこかのかわいらしいが、あとからついてきたのです。
「へへへへ、人違ひとちがいでございますよ。」と、おばあさんは、わらって、そのままゆきかけたのでした。
「だめだなあ、あんなところに、うまくとまっているんだもの。」と、しょうちゃんはうらめしそうに、やんまをつめていましたが、もう一らえられるものか、やってみようと、また足音あしおとをたてぬようにして、おばあさんのあとったのであります。
おばあさんは、また、だれかたもとのあたりにさわったので、はっとしていてみると、先刻さっき子供こどもが、しつこく自分じぶんあとってきたのでした。
これは、人違ひとちがいでないとおもいました。そして、かお似合にあわぬ、なんという、いやなだろうとおもいましたから、おばあさんは、おそろしいつきをして、にらんだのでした。子供こどもは、おばあさんにしかられると、そのままあちらへしていってしまったのであります。
おばあさんは、おうちかえりました。うちひとたちが、
「おばあさん、おかえんなさい。」と、いって、出迎でむかえました。それから、「おつかれでしょう。」と、いって、羽織はおりをぬがしてあげにかかると、やんまが、背中せなかにとまっていましたので、
「まあ、おばあさん、こんなおおきなやんまが、お背中せなかにとまっていましたよ」と、いって、らえてみせました。このとき、おばあさんは、
「やんまが?」と、いって、はじめて、さっき、おとこが、自分じぶんあとってきたわけがわかったのでした。
「ああ、それなら、あんなかおをして、にらむのでなかった。」と、おばあさんは、おもいました。
けれども、お彼岸ひがんのおまいりにいったかえりなので、やんまをたすけてやったとおもうと、いいことをしたともかんがえたのでした。
「どれ、どれ、わたしが、えだにとまらせてやりましょう。」と、いって、おばあさんは、やんまをにわ縁側えんがわちかい、南天なんてんにとまらせておきました。
「もう、げていったろう。」と、晩方ばんがた、おばあさんが、縁側えんがわてみると、そこには、やんまのはねだけがらばっていました。ねこのたまがべたのです。おばあさんは、これをると、おどろいて、たいそう立腹りっぷくしました。
今夜こんやは、うちれない。」と、いって、たまをしかって、そとしてしまいました。ねこは、ニャアニャアといていたが、そのうち、どこへかいってしまいました。
「かわいそうに、どこへいったでしょう。」と、いえひとたちが、いっていました。
「いえ、こらしめてやらなければ。」と、おばあさんは、いつまでも立腹りっぷくしていました。
そのとき、そこへおとなり光子みつこさんが、たまをいてはいってきました。
「おばあさん、たまが、うちのお台所だいどころへきていていましたから、つれてきたのよ。」と、いいました。
おばあさんは、たまが、やんまをべたからしかったと、おはなしをしました。すると、光子みつこさんは、おばあさんのかおて、
「だって、たまは、やんまをべて、わるいということをらないのですもの。」と、いいました。
この子供こどもの、やさしい言葉ことばは、おばあさんに、さっき、自分じぶんもそれとらないばかりに、どこかの、かわいらしいおとこをにらんで、わるいことをしたことをおもさせました。
「このとしになっても、おばあさんは、ばかだね。光子みつこちゃん、こちらへおいで。」と、いって、おばあさんは、光子みつこさんのあたまをなでてやりながら、自分じぶんにも、こんなようなおんなか、先刻さっきの、おとこのような、かわいらしいてみると、そこには、やんまのはねだけがらばっていました。ねこのたまがべたのです。おばあさんは、これをると、おどろいて、たいそう立腹りっぷくしました。
今夜こんやは、うちれない。」と、いって、たまをしかって、そとしてしまいました。ねこは、ニャアニャアといていたが、そのうち、どこへかいってしまいました。
「かわいそうに、どこへいったでしょう。」と、いえひとたちが、いっていました。
「いえ、こらしめてやらなければ。」と、おばあさんは、いつまでも立腹りっぷくしていました。
そのとき、そこへおとなり光子みつこさんが、たまをいてはいってきました。
「おばあさん、たまが、うちのお台所だいどころへきていていましたから、つれてきたのよ。」と、いいました。
おばあさんは、たまが、やんまをべたからしかったと、おはなしをしました。すると、光子みつこさんは、おばあさんのかおて、
「だって、たまは、やんまをべて、わるいということをらないのですもの。」と、いいました。
この子供こどもの、やさしい言葉ことばは、おばあさんに、さっき、自分じぶんもそれとらないばかりに、どこかの、かわいらしいおとこをにらんで、わるいことをしたことをおもさせました。
「このとしになっても、おばあさんは、ばかだね。光子みつこちゃん、こちらへおいで。」と、いって、おばあさんは、光子みつこさんのあたまをなでてやりながら、自分じぶんにも、こんなようなおんなか、先刻さっきの、おとこのような、かわいらしいまごがあったら、どんなに、たのしかろうとおもいました。
たまは、いつのまにかおばあさんのひざのうえにのって、まるくなっていました。
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