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雪の降った日(2)_小川未明童話集_日语阅读_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示:その翌日よくじつのことです。年としちゃんが、学校がっこうから帰かえってくると、汚きたならしいふうをした女おんなの人ひとが
(单词翻译:双击或拖选)
 
その翌日よくじつのことです。としちゃんが、学校がっこうからかえってくると、きたならしいふうをしたおんなひとが、おかあさんとはなしをしていました。としちゃんは、たことのあるひとのようながしたが、おもせませんでした。
「どうして、こんなひとが、おかあさんとおはなしをしているのだろう。」と、としちゃんは、不思議ふしぎかんがえました。おんなひとは、おかあさんのほうて、
わたしにも、今年ことし十四になるおとこがあります。学校がっこうると、すぐに奉公ほうこうをさせたのですが、手紙てがみのたびに、おとうとはどうしているかと、いってきます。」と、いっていました。
かあさんは、いちいちうなずきなされて、
「ほんとうに、感心かんしんですね。それもあなたが、そうしたりっぱなおこころがけだからです。きっといいにおなりですよ。」と、おっしゃいました。
「ただ、子供こどもおおきくなるのをたのしみにしています。」
「そうですとも。」と、おかあさんは、あたまをば、こくりとなさった。
「おじゃまいたしました。」
女中じょちゅうかえりましたら、どんなによろこぶことでしょうか。すぐにおれいがらせますから。」と、おかあさんが、おっしゃると、
「いいえ、おれいなんかいるもんですか。」と、おんなは、そうそうにして、かえっていきました。
「おかあさん、いまのひとだれなの?」と、としちゃんがきました。
「あのひとですか、くずさんです。」
「なにしにきたの。」
「このあいだ、きよが、おとうとおく為替かわせのはいった手紙てがみとしたといっていたでしょう。あのひとがごみにあったのをひろって、とどけてくださったのですよ。なんと正直しょうじきなくずさんではありませんか。」と、おかあさんは、いわれました。
「そうだったか。」と、としちゃんは、おもたると、ためいきをつきました。いつか、はらっぱのごみで、かみくずや、ひろっていたおんなひとだ。あのとき、自分じぶんは、乞食こじきかとおもったが、そんなに正直しょうじき感心かんしんひとであったのかと、さげすんだことが、かえってずかしくなりました。
きよが、田舎いなかからかえると、おかあさんは、くずさんがとどけてくれた手紙てがみをおわたしになりました。きよは、おどろいて、
「まあ、どこにございましたか。」と、きよは、をまるくしたのです。そして、つちよごれた自分じぶん手紙てがみをいただいて、封筒ふうとうけると、なかからしわくちゃになった為替券かわせけんてまいりました。
おんなのくずさんが、とどけてくれたのです。きっと、おまえが、かみくずや、すえぶろのはいはらっぱへてるときに、いっしょにまちがっててたのです。はなしをきくと、そのくずさんは、おっとなれてから、二人ふたり子供こどもそだててきたのだそうです。貧乏びんぼうしていても、正直しょうじきで、感心かんしんじゃありませんか。」と、おかあさんは、おっしゃいました。きよも、ほんとうに、そうかんじたし、またありがたくおもいました。
「おれいにいっていらっしゃい。」
「はい、いってまいります。」
かあさんが、くずさんのおうちをきいておいてくださったので、きよは、おれいにいくのに、そうさがしてあるかなくともよかったのです。
きよは、電車でんしゃりてから、ちいさないえのごちゃごちゃとたてこんだ、路次ろじはいっていきました。すると、くずさんのいえはじきわかったが、おもてまっていました。
「おや、はたらきにかけて、お留守るすなんだろうか。」と、おもったが、ふと、わきについている、ちいさなまどると、そのうちで、コトッ、コトッ、コトッと、なにかおもちゃのうごくようなおとが、きこえました。やはり、いるのかしら、とかんがえて、
「ごめんください。」と、きよは、いいました。しかし、返事へんじがありません。もう一
「ごめんください。」といいました。
すると、子供こどもこえで、
「おかあさんは、いない。」と、こたえました。
きよは、おれいっていった、品物しなものだけなりといていこうとおもって、
「もし、もし、ちょっと、ここをあけてくださいな。」といいました。けれど、子供こどもは、まどけるようすがありませんでした。
きよは、こまってしまいました。障子しょうじやぶれからのぞくと、子供こどもは、病気びょうきとみえて、とこについて、ねていました。そのまくらもとには、片方かたほうくるまのとれたタンクが、ころがっていました。さっき、これがびっこをきながら、うごいていたのでありましょう。
きよは、しかたなく、自分じぶん障子しょうじけたのです。
「おかあさんは、おかせぎにいらしたの?」とくと、子供こどもは、だまって、うえきながら、うなずきました。
「ひとりで、おるすい?」
ぼく、かぜをひいたので、ついていかなかったの。」と、子供こどもは、こたえました。
さびしいいえのようすをると、もない三じょうに、子供こどもは、ひとりでねているのでした。きよは、かわいそうになりました。
「こんどくるときに、いいおもちゃをってきてあげますよ。」というと、子供こどもは、このまったくらぬおねえさんのかおを、不思議ふしぎそうにながめていました。それでも、やさしくいわれたので、なつかしくかんじたのか、さびしくわらっていました。
おくさま、ただいま。」と、きよは、おうちかえると、おかあさんのまえあたまげました。そして、自分じぶんたことを、はなしたのでありました。そばでこのはなしをきいたとしちゃんには、――いつか、ゆきったに、くつしたをはかずに、やぶれたくつをはいて、くるまのそばにっていた、子供こども姿すがたが、に、ありありとかんだのであります。そして、さむいのに、くつしたもはかずにいたので、かぜをひいたのだろうとおもわれました。
「おかあさん、あのくずさんがきたら、ぼくのいらないおもちゃと、絵本えほんをやってね。」と、としちゃんがいいました。
「ええ、ねている子供こどもさんにっていってもらいますよ。そんなに不自由ふじゆうをしていても、まちがったことをしない、ほんとうに感心かんしんひとですものね。」と、おかあさんは、しみじみとおっしゃいました。
 
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