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世の中へ出る子供たち(2)

时间: 2023-08-31    进入日语论坛
核心提示:二それは、つい、昨日きのうのことのようなのが、もう四、五年ねんもたちます。小学校しょうがっこうを出でてから、三人にんの身
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それは、つい、昨日きのうのことのようなのが、もう四、五ねんもたちます。小学校しょうがっこうてから、三にんうえにも、変化へんかがありました。なかでもどくなのは、小原おばらで、からだよわくて、中学校ちゅうがっこう退きました。正吉しょうきちも、また最近さいきんははうしなって、としをとった父親ちちおやだけとなりましたが、工手学校こうしゅがっこうると、すぐつとめています。高橋たかはしは、このほどようやく工芸学校こうげいがっこう卒業そつぎょうして、田舎いなかへいくことになったのです。
正吉しょうきち高橋たかはしは、おな種類しゅるい学校がっこうでありましたので、平常へいじょう往来おうらいをして、自分じぶんたちの希望きぼう物語ものがたったり、のまわりにあったことなどをけて、はなったのでした。
ぼくのおかあさんはね、むかし芝居しばいきなんだよ。だけど歌舞伎座かぶきざなんて、たかいだろう。それに、いくひまもないのさ。ぼくいもうとのために、さかさえめったにられなかったのだものね。ぼくは、おかあさんが達者たっしゃなうちに、すこしはらくをさしてあげたいとおもうのだけれど、おぼつかないものだな。」と、ある高橋たかはしは、正吉しょうきちかって、いいました。
「しかし、おかあさんは、お達者たっしゃなのだろう。」
「ああ、病気びょうきってしたことがないよ。それも、二人ふたり子供こども自分じぶん養育よういくしなければならぬので、っているんだね。」
高橋たかはしは、そうこたえました。正吉しょうきちは、おかあさんのことをかんがえると、すぐ、なみだにあふれてくるのです。
ぼくも、一かあさんを、湯治とうじにやってあげたいと、おもっているうちになくなられて、もう永久えいきゅう機会きかいがなくなってしまった。」と、正吉しょうきちは、歎息たんそくをもらしました。
「しかし、きみには、まだ、おとうさんがあるからいい。せいぜい孝行こうこうをしてあげたまえ。」
なくなった母親ははおやおもしている、さびしそうなおともだちのかおると、高橋たかはしは、こういってなぐさめたのです。
もう、季節きせつは、あきすえでありました。正吉しょうきちは、高橋たかはし見送みおくるため、もんからました。みじかざしは、いろづいた木立こだちや、屋根やねうえに、黄色きいろえていました。
高橋たかはしくんも、こちらにつとぐちがあるといいんだがな。」
正吉しょうきちは、ただ、ちかわかれるのがかなしかったのでした。こちらに、おもわしい就職口しゅうしょくぐちがないので、高橋たかはしが、地方ちほうへいくのをっているからです。
ゆきは、ふからないけれど、ぼくのいくところは、ふゆさむ田舎いなかなんだよ。大仕掛おおじかけの堤防工事ていぼうこうじなんだがね、そこへしばらくいくつもりなのだ。ただははいもうとのこしていくのが、なんだかがかりなんでね。」と、高橋たかはしは、いいました。
「そうながくは、いっていないのだろう。」
「ああ、しかし、こちらにいいくちがあるまでは、どのみち、しかたがないのさ。」
「きっと、そのうちにはあるよ。」
ぼくたち、わかいうちに、いろいろ経験けいけんするのもいいかもしれない。」と、高橋たかはしは、かたをそびやかして、こたえました。
「そうさ。ぼくも、満洲まんしゅうへいこうかとおもったんだ。しかしおふくろをうしなって、もないので、ちちがさびしがるとおもったので、見合みあわせたのさ。」と、正吉しょうきちは、西にしあか夕焼ゆうやけした、そらをながめていいました。
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