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世の中へ出る子供たち(3)_小川未明童話集_日语阅读_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示:三正吉しょうきちは、月給げっきゅうの入はいった翌日よくじつのこと、田舎いなかへいく高橋たかはしのために、送別会そうべつか
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正吉しょうきちは、月給げっきゅうはいった翌日よくじつのこと、田舎いなかへいく高橋たかはしのために、送別会そうべつかいひらくことにしました。
あるレストランで、高橋たかはし小原おばら自分じぶんの三にんが、夕飯ゆうはんべながらしたしくはなしをしたのです。そのレストランは、おおきなきれいなみせでありました。煖房装置だんぼうそうちもあれば、かべにはオゾン発生機はっせいきそなえてあって、たくさんのテーブルには、それぞれきゃくむかっていました。南洋産なんようさん緑色みどりいろなが植物しょくぶつが、おおきなはちえられて、すみのほうと、中央ちゅうおういてありました。
正吉しょうきちは、つとめるようになってから、こんな場所ばしょへは、先輩せんぱいにつれられたり、また社員しゃいんたちときたことがあるけれど、小原おばら高橋たかはしも、きわめてまれなことだけに、はなし合間あいまに、あたまげて、あたりを物珍ものめずらしそうにながめていました。
はなしは、正吉しょうきち高橋たかはしあいだで、いつかまたおかあさんのことになったのです。ここでも、小原おばらだけは、ははかおさえよくおぼえていなかったので、二人ふたりはなしわらってきくうちにも、どことなくさびしそうでありました。
「わがままいわなければ、よかったとおもうよ。おかあさんがいなくなってから、わかった。しかし、もうおそいのだ。よく無理むりをいったり、またたのんでおいたことをははわすれたといって、小言こごとをいったりしてすまなかった。」と、正吉しょうきちはいっていました。
ぼくも、わるいところでなければ、ははいもうとをつれていくんだけれどなあ。」と、高橋たかはしがいいました。これをいていた、小原おばらは、
「いいなあ、きみたちが、うらやましいよ。ぼくには、そうしたおももない。ちいさいときから、ははちちも、ないのだからね。」と、はなをつまらせたのです。
「そう、もうこんなはなしはやめよう。」と、正吉しょうきちが、いいました。
にんは、フライだのマカロニだの、いろいろべたり、サイダーや、コーヒーをんだりして、時計とけいが九ぎてから、そこをげました。会計かいけいは、少女しょうじょってきた伝票でんぴょうて、正吉しょうきちが、はらったのであります。
道順みちじゅんで、高橋たかはしさき二人ふたりわかれました。
出発しゅっぱつには、おくるからね。」
会社かいしゃが、いそがしいなら、いいよ。」
「なに、どうか都合つごうするさ。」
あとは、小原おばら正吉しょうきち二人ふたりが、星晴ほしばれのしたそらを、公園こうえんほうかってあるいていたのです。
今夜こんやは、ご馳走ちそうになって、すまなかった。」と、小原おばらがいいました。
「なんでもないよ。今度こんど日曜にちように、動物園どうぶつえんでもいってみない?」と、正吉しょうきちが、いうと、
「お天気てんきだったらね。」と、小原おばらは、よろこびました。そして、あかいネオンサインのほうながら、
「四がつになったら、また学校がっこうがるつもりだ。」と、このごろ、からだがよくなったので、小原おばらは、元気げんきにいいました。
学校がっこうなんか、すこしくらいおくれたっていいよ、なるたけ大事だいじにしたまえ。」
二人ふたりは、つじのところで、またわかれたのです。先刻せんこくから、正吉しょうきちあたまなかで、もやもやしていたものがあります。それは、レストランの計算けいさんが、ちがっているようながしたのでした。なんだかすこしやすすぎるので、正直しょうじきかれは、そのままにしておけないがして、公園こうえんのベンチのところでポケットから、手帳てちょう鉛筆えんぴつして計算けいさんをはじめました。あたまなかでは、うまくいかなかったのです。
「ああ、やはりサイダー二ほんがつけちになっている。これは、あの少女しょうじょそんになるのだろうか。」
正吉しょうきちが、ものものはこんできた、ほしのようにきよらかな、しろいエプロンをかけた少女しょうじょ姿すがたおもかべました。かれいそいでまちへひきかえしました。そして、時計とけいると、もう十ぎています。
「いつのまに、こんなにはや時間じかんがたったろう。」と、つぶやきながら、れいのレストランのまえへくると、もうみせまっていました。なにか仕事しごとがあって、一人ひとりおくれたのか、普通ふつうむすめさんのようなふうをした丸顔まるがお少女しょうじょが、よこぐちから、たのでありました。正吉しょうきちは、その少女しょうじょめた。
「すこし会計かいけいが、ちがっていたのですが。」と、いいました。
わたしにはわかりませんが、なにか余計よけいにいただいたのでしょうか。」と、少女しょうじょきました。
「いや、サイダー二ほんの、つけとしがあったとおもうのです。」
こういうと、彼女かのじょは、正直しょうじきひとだとおもったらしく、かろやかにわらいました。
「こちらの手落ておちなんですから、かまいませんよ。」といいました。
ちの女給じょきゅうさんに、そんをかけまいとおもってきたのです。」
「まあ、ごしんせつに、けっして、そんなことはないんです。それに、もう、みんなしまったあとですもの。」といいました。
正吉しょうきちは、そうくと、いくらか気持きもちがらくになりました。いそいで、えきはいろうとしたときに、夜遅よるおそく、さむいのに、そとちながら、はなっている少女しょうじょました。やはりいえのためにはたらいているのであろうが、あまりいてるものすらありません。
「そうだ、あのかねで、この少女しょうじょはなってやろう。」
正吉しょうきちは、しろ百合ゆりはなと、あかいカーネーションのはなもとめました。かれは、えき階段かいだんのぼりながら、
「たとい、一せんでもまちがったかねってはなりませんよ。」と、おしえられた、おかあさんの言葉ことばおもしました。もうそのおかあさんは、この世界せかいのどこをさがしてもいられないが、おかあさんのおしえだけは、かならずまもりますと、正吉しょうきちは、おかあさんのれいかって、ちかったのであります。
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