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ろうそくと貝がら(1)_小川未明童話集_日语阅读_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示:一海うみの近ちかくに一軒けんの家いえがありました。家いえには母親ははおやと娘むすめとがさびしく暮くらしていました。けれど
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うみちかくに一けんいえがありました。いえには母親ははおやむすめとがさびしくらしていました。けれど二人ふたりはたらいて、どうにかそのらしてゆくことができました。
父親ちちおやは二年前ねんまえに、うみりょうかけたきりかえってきませんでした。その当座とうざ、たいへんにうみれて、難船なんせんおおかったといいますから、きっと父親ちちおやも、そのなかはいっているのだろうとかなしみなげきました。
けれど、また、とおいところへかぜのためにきつけられて、父親ちちおやはまだのこっていて、いつかかえってくるのではないかというようなもしまして、二人ふたりは、おりおりうみほうをながめて、あてなきおもいにふけっていました。
「おっかさん、おとっさんはんでしまわれたんでしょうか。」と、むすめなみだをためて、母親ははおやいますと、
「いまだにたよりがないところをみると、きっとそうかもしれない。」と、母親ははおやも、さびしそうなかおつきをしてこたえました。
「ほんとうに、おとっさんがきていてかえってきてくだされたら、どんなにうれしいかしれない。」と、むすめはいいました。
きていなされば、きっとかえってきなさるから、そう心配しんぱいせずにっていたほうがいい。」と、母親ははおやむすめをなぐさめました。
むすめ昼間ひるま仕事しごとて、れかかるといえかえってきました。まどけると、かなたにあおうみえました。しずかに、うみのかなたが、あか夕焼ゆうやけがしてれてゆくときもあります。また、灰色はいいろくもったままれてゆくときもあります。またあるときは、かぜいて、うみうえがあわだってえるときもありました。
つきのいいばんには、往来おうらいするふねも、なんとなく安全あんぜんおもわれますが、うみいかって、くらな、波音なみおとのすさまじいときには、どんなに航海こうかいをするふね難儀なんぎをしたかしれません。
そんなとき、むすめはきっと父親ちちおやのことをおもすのでありました。もし父親ちちおやが、こんなあらしつよばんに、うみをこいでこえってこられたなら、方角ほうがくもわからないので、どんなにか難儀なんぎをなされるだろうと、こうかんがえると、むすめはもはや、じっとしていることができませんでした。がって、まどからいっしんにおきほうつめていました。
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