お母さん、ありがとう

　「トントントントントン。」

わたしが朝おきるときこえてくる音です。だいこん、じゃがい

も、とうふにわかめ、ねぎでもなんでもトントントン。スパス

パに切れるほうちょうでひっさつしごとにんのように切って

しまいます。

「早くのみなよ。みそしるのまないならもう作んないよ。」

わたしが小さいころから言われつづけていることです。わた

しはみそしるがきらいです。だからどうしてもさいごまでの

こしてしまいます。ゴメンね。

　おかあさんはしごとをしています。わたしが学校にいった

あと、すぐにいもうとをようちえんにおくってからそのまま

しごとにいきます。だからおかあさんはとってもいそがしい

です。わたしがのんびりしていると、

「ゴロゴロゴロ、ドッカーン。」

かみなりがおちてきます。わたしがいそいでしたくしている

あいだに、せんたくやかたづけをパパッとやっちゃいます。

　わたしが学校からかえってきたあとも、ごはんのよういに

アイロンがけ、おふろそうじに草むしり。そんなおかあさん

のたのしみはでっかいグラスでアイスコーヒーをのむことで

す。ブラックはだめです。クリームを入れないとだめです。

とってもおいしそうにのみます。わたしがおてつだいをする

と、アイスコーヒーをのんでいる時とおなじかおになります。

　おかあさん、みそしるがんばってのむね。

　おかあさん、ちゃんとしたくできるようになるね。

　おかあさん、もっといろいろおてつだいするよ。

　おかあさん、ありがとう。

　アイスコーヒー、おかわりする？